きなこ日記
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2012年12月31日(月) |
今年もお世話になりました。 |
大掃除で全身筋肉痛です…。 この年の瀬に、最後の読書となったのは、 高村薫さんの「冷血」でした。 義兄と離れて、いつのまにか農作業に心身のバランスを取る方法を求めて、睡眠時間を削るような毎日を送っている刑事・合田。青年から初老へと移りつつある彼も、いつしか現場で足を棒にするような立場から、捜査本部詰めで、書類に埋没する立場に変わっている。 犯意も殺意も曖昧な強盗殺人犯の供述を読み解こうとしながら、人とは何か、生きるとは何かを問い続ける合田の、真摯さに圧倒され、その思考の前に私は立ち尽くすしかありませんでした。こんなにも、誰が何をどうした、という描写よりも、話し言葉が多い作品もないのではないでしょうか。ほとんどが「供述」「手紙」で埋まっているのです。
腐女子のたしなみとして、合田と義兄のやりとりにはアンテナを張っておりましたが、この作品の中心事件発生のために、年末年始、一緒に過ごす予定がまったく駄目になり、いささか落ち込んだ模様。が、それから二年後の年末年始は、無事に、一緒に過ごせたみたいで、腐女子も安心。
ところで、章中の時系列を示すのは、西暦だったのに、最後の二行で、元号を使っていたのですが、一瞬、西暦と元号を一致させるのに時間を取られ、ふっと、気がそがれたというか、ほおづえをかくんと外されたような感覚でした。 あれはわざとなんでしょうかね。現実の時間の流れと、事件の時間の流れを書き分けたってことですかね。うーむ。
まあそんなわけですが、来年も読みます・書きます・よろしくお願いします。
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