しろにじ創作倉庫
二度と纏わぬ衣を脱いでお前は夏に命を預けた去年と同じ場所で 同じ姿で一年だけの夏を生きる降りしきる蝉時雨を逃げるように背中で聞いた汗で張り付いたシャツを突き抜けて遠い日の記憶を呼び覚ます 蝉の声ああ あの夏の日のお前の声と夢見た未来はすでに去ってしまったけれどこのときだけは憂鬱な季節の断片を静けさが切り取っていくようだ