フィリップ・トルシエとわたし
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2005年04月01日(金) 俺の空




おなかがすいたのでパンを買う。

ふと目に付いたのがミッフィーちゃんのパンだ。

パンの間に具を挟んである画期的なパンだ。

ワシはミッフィーちゃんが好きなので早速買う。

三十路だが恥ずかしくない。

なぜならおなかがすいてたまらなくて仕方なくて急いで買いました演技で
完璧にハングリー中年を演出したからだ。

こう見えても演技派だ。

幼稚園の時には見事主役のバナナ役を射止めた。

月影千草が見てたら紅天女の主役は北島や姫川でなく、ワシだ。


だがレジのねえちゃんの顔が赤い。

惚れたか?やめろよ。

違うのか?

そうか演技が完璧過ぎたか。

「急ぎのあまり」をオーバーアクションで表現してしまったか。


具が飛び出てる。


これじゃ必死すぎ。

かっこわるい。

気まずい。

つうか、笑いこらえてるだろ。貴様。


「あー。みっふぃーちゃんみっふぃーちゃん。」

後ろに並んでる家族だ。

「おじさん。みっふぃーちゃんかってるよ。わたしもほしい。」

大声で叫ぶなクソガキ。殺すぞ。

「みちこ。ミッフィーちゃんはおじさんが買ったんで駄目なんだよ」

おじさん言うな。貴様のほうがオヤジだ。

「ほしいー。みっふぃーちゃん」

だから叫ぶなみちこ。


急いで店を出る。

ちらと振り返って見る。

みちこはブサイクなガキだった。

両親が不細工ならガキもブサイクしか生まれまい。

貴様らにミッフィーちゃんを食う資格なぞないわ。がはは。


帰って食う。

パンにピーナッツバターが挟んである。

普通に旨かった。

が、むなしい。

勝者の孤独か。

いや、なんつうか。

何かを捨ててしまったむなしさだ。

なんか人間としての大切なものとか、その類のやつ。

深く考えると泣くかもしれないので、やめよう。

むなしい。

ふと。包装を見る。


消費期限 05 03 29

・・・

深く考えると泣くかもしれないので、マジで考えるのやめよう。









ミッフィーとおともだち "ミッフィーのおたんじょうび" 2004


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