暴かれた真光日本語版
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2004年01月28日(水) |
059 publicationsinJapan |
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フランスにおける○○真光
カルト宗教のトラブル対策 2000.5.20初版 山口広、中村周而、平田広志、紀藤正樹。 教育史料出版会
82-86頁 1995年12月 フランス議会報告の内容
127頁の冊子は、まずセクトの実情の分析、次にその危険性の分析、最後にとられるべき対策について述べている。以下とくにことわらない限り、報告書の内容をそのまま記述したものである。
<報告書の要旨>
〔序文〕 序文は1993年4月米テキサスのブランチ・ダビディアン事件の88名の死亡、94年10月カナダ、スイスの太陽寺院事件の53名の死亡、 95年3月東京のオウム真理教毒ガス事件の死者5名(原文ママ)、負傷者5,000名の事件、さらに78年ガイアナ人民寺院事件の923名の死亡にふれ、セクトはなお狡猾な活動を続けていると述べたうえで、次のとうり言う。
「期待に応えてくれると錯覚し聞き入ってしまうような説教の、見せかけの宗教性に惹きつけられやすい現代人を、このセクトのなかに落としめるものは、我々の社会の動きそのものである」
調査委員会はさまざまな立場でセクト現象について深い知識をもつ人たち、たとえばセクト教団の運営責任者、医者、法律家、教会(カトリック教会)関係者、セクトの犠牲者を救済する団体の代表者、そして当然セクトの元信者、指導者などから情報、経験談、分析などを得た。
また、委員会は社会問題担当省、外務省、パリ警察庁、そしてとくに内務省(総合情報局本部)から力添えを得た。しかし、経済・財務省、司法省からは見るべき情報はなかった。
〔第1章 セクトの現状について〕
1. 定義が困難な現象・セクト
セクトとは何か。これを定義づけるのは困難であり、法律のどこにも手がかりはない。だからといって、信教の自由を侵す危険をおかしてまで強いてセクトの定義をするか、それとも定義づけは不可能だとして作業を放棄するか、いずれもとるべきではない。委員会は事実に基づいてセクトと一般に言われている組織の現象を分析し、その特徴を引き出す努力をした。
そもそもフランスは政教分離制度(著者注:国は宗教に無関心であるべきというもの)をとっており、宗教の法的定義もしていない。法律上キリスト教とセクトを区別することは不可能である。
委員会はセクトの語源、社会学的分析、危険性に基づく分析などにコメントしつつ、結局以下の基準(内務省のセクト現象分析でも用いられているもの)を採用することにした。
「1」 精神の不安定化をもたらすか 「2」 法外な金銭的要求をするか 「3」 生まれ育った環境との断絶を教唆するか 「4」 健全な身体の損傷をもたらすか 「5」 自動徴用(子どもをかり集めて、グループ化)するか 「6」 多少を問わず反社会的な説教をするか 「7」 公共秩序の攪乱をもたらすか 「8」 多くの裁判沙汰を起こしているか 「9」 通常の経済流通活動からの逸脱傾向があるか 「10」 行政当局への浸透を企てているか
委員会は、その団体が新しい、信者数が少ない、奇抜だということをもって、セクトとみなす基準にはできない、と考える。現在大宗教と言われるものでも初期においてはおおむね信者数の限られた団体にすぎなかったし、現在社会的に受容されている宗教儀式が、当初は警戒心や反対を呼び起こしたこともあり得るからである。 2. セクト活動の現状
セクトの実情を把握することは極めて困難である。そもそもセクトとは何か。どの範囲をセクトの信者と認めるのか。たんなる講演会の参加者もメンバーと同一視してよいのか。信者とシンパ層を区別できるのか。
そこで、委員会は、内務省からの情報とセクト問題の専門家からの情報をまとめてそのまま掲載している。
(1) 内務省の情報
前述したセクトの判断基準に一つでも該当するとして内務省が列挙したセクトは172ある。支部組織を含めると800以上にのぼる。報告書はこれを地域別に分析した。セクトの信者は約16万人、シンパは約10万人と推計している。しかしその多くが500人以下の集団であり、セクト的現象が集中的に見られるのは約40の団体である。
委員会は50名以下、500名以下、2,000名以下、1万人以下、それ以上の5グループに分けて、内務省情報に基づいて具体的な団体名をあげている。
50名以下の団体としては、幸福の科学、フランス神慈秀明会のほか、ランドマーク教育インターナショナル・フォーラムやフランスの騎士と三位一体の会など合計47団体の名が列挙されている。
500名以下の団体としては、霊友会、崇教真光、世界基督教統一神霊協会(統一教会)、クリシェナ意識協会フランス同盟、OSHO情報センター、愛の家族(旧・神の子どもたち)など日本になじみのある団体を含め、マリーの方舟、グノーシス研究センター、ナザレの家族、曼荼羅33、テモテ伝道団など合計80団体の名があげられている。
2,000名以下の団体としては、23の名があがっている。アントワーヌ派、ヨハネの家、眼が開く、キリスト者生活センターなどであるが、日本になじみのある名はない。
1万名以下の団体には、パリサイエントロジー教会、フランスラエリアンムーブメント、フランス創価学会インターナショナルのほか、サクレクール兄弟姉妹共同体、フランス新使徒教会など12の名があがっている。
1万人以上の団体には、エホバの証人があげられ、信者は13万人と推定されるている。
内務省情報によると、1982年に比べ、1995年にはセクトの信者数は10万人から16万人に、シンパ数も5万人から10万人に増えている。とくにエホバの証人の信者が7万5,000人から13万人に増えたのが目立つ。
(2) 専門家の分析
フランスではセクト対策の民間ボランティア団体として、UNADFI(家族と個人を守る会、全国連合)とCCMC(マインドコントロール対策資料収集教育活動センター)の二つが活動している。 UNADFIは1974年に設立され、20の地方団体をまとめている。CCMCは1981年に息子をセクトの犠牲で失ったロジェ・イコールの提唱で設立された。そのほか医者、大学関係者、キリスト教会、ジャーナリストなどさまざまな分野の人がセクト問題に取り組んでいる。
UNADFIは、委員会に対し、重大性のあるセクトは200ないし300あり、全国で約50万人が直接間接にセクトとかかわりをもっていると述べている。
たとえば、UNADFIのパリ本部(ADFI)とその関連グループの事務所が受けた電話相談の数が紹介されている。
1990年 − 1994年 サイトエントロジー 829 414 エホバの証人 215 236 創価学会 50 105 統一協会 102 41 ラエリアンムーブメント 40 110 超越瞑想 34 36
(解説)
崇教真光は、上記「1」-「10」のどれか一つ以上にあてはまると、フランス政府からお墨付きを得たわけだ。 また、この書籍は、全国の公立図書館や大学図書館に収蔵されている。 岐阜県内の公立図書館:岐阜県立、岐阜市立、可児、海津、池田 www.library.pref.gifu.jp/oudan.htm 全国の大学図書館:ttp://webcat.nii.ac.jp/cgi-bin/shsproc?id=BA47317820
「大聖主」(崇教1983年初版) 205-225頁 『光は東方より』 フランスの新聞にのった光玉師の記事の日本語訳が載っている。
Herald Tribune 1972.12.29 Page.5 Le Monde 1973.9.15 Page.16 (P213) < Le Monde の翻訳 >
大きな問題は、二十世紀から二十一聖紀に移り変わるときには、天地がヒックリかえるほどの大異変があるということです。したがって、神様が問題にしておられることは、いかにして次の文明への種人(神の子)をつくっておくかということです。物質の火の洗礼の原水爆弾、人類はこの大峠を乗り越えなければならない。
物質と罪穢のミソギハラヒ即ち火の洗礼期をのがれる種人をつくっておかなければならないのが、私の使命です。バイブルの「ノアの洪水」を思い出して下さい。「神が選び子の額に印をするまで……」その文明の種になる人、皆さんは、それになってもらいたい。
(解説) フランスの新聞にこういう記事をのせると、カルト扱いされても仕方がないかもしれない。
「現代フランスのスピリチュアリテ――二つの排除性について」 (特集 宗教・スピリチュアリティ・暴力) 樫尾直樹著 「現代宗教2002」(国際宗教研究所編) 東京堂出版163〜184頁 (国立国会図書館雑誌記事索引収載)
(P180) 今フランスで一番の「怪物」こそ、この「セクト」なのである。
日本でもオウム事件以後特に「カルト」や「破壊的カルト」というアメリカから輸入された言葉が人口に膾炙しているが、フランスやベルギーなどのフランス語圏を中心としてヨーロッパでは「セクト」という言葉が、マイナーな宗教教団等の総称として使用されている。
ヴィヴィアン・レポート以後、一九九六年一月に出版されたフランス国民議会下院による調査報告書、ジェスト・ギュイヤール・レポートは、新宗教を「セクト」としてきわめて軽蔑的に捉えている (これをコンパクトにまとめたものとしては阿部美哉『現代宗教の反近代性』、玉川大学出版局、1996、および中野毅「フランス議会での反セクト報告をめぐる考察」『宗教研究』、311、1997、345-6頁がある)。二〇〇一年五月にできた新しいセクト法でももちろん事情は同じである。
(P182) サイエントロジーやエホバの証人を筆頭に、さまざまな教団が、社会的、文化的攻撃を受けている。元信者との訴訟に関しては、厳正な裁判によって真偽を明らかにすればよいのだが、他者的なものに対する排除的先入観には実に驚かされる。たとえば、フランスに約一万人ほどの信者を擁する崇教真光に関しては一九九七年に、興味深い事件が二つあった。ノルマンディとパリでのことである。
六月四日、法外な金銭を支払わせた背信罪および「業務上過失」の廉で、ノルマンディお浄め所と所長自宅が司法警察から家宅捜査を受け、「ご神体」(「真光」と書かれた掛け軸)と「ご神像」(「伊都能売大国魂大国主之大神」像)、および所長と夫人の「御み霊」(入信時にもらうペンダント)の四点が押収された。
教団側の説明によれば、ある女性信者が同居人の男性(信者ではない)に別れ話を切り出したところ、話がもつれ、男性がお浄め所および所長を訴えた、ということである。『祈言集』に4000フラン、お浄め所で履く内履きに1000フラン、初級研修と「御み霊」に12,000フラン、および一年間の献金に24,000フラン、計41,000フラン(約八五万円)を不当に支払わされた、とその男性は主張している。
それに対して、所長は、初級研修(「御み霊」代を含む)に関しては800フラン、『祈言集』(購入は任意)に関しては90フランであると主張している。加えて、司法警察は、その男性が同性愛的傾向があると述べ、所長と月並祭の後に同性愛的行為を行わなかったかと質問したということである。
ジェスト・ギュイヤール・レポートに紹介されている、フランス総合情報局による「セクト」の判断基準の第二項(法外な金銭の要求)からすれば、男性の訴えはそれにあてはまる可能性があるが、所長や信者の事情聴取や信者の「御奉納」金額などを記録したフロッピーディスクの内容から、その男性の訴えが誤りであったと直ちに判断したことからすれば、司法警察の狙いは別件にあったと考えられる。
その証拠に、依然として押収した先の四点、およびフロッピーディスクを司法警察は所長に返却していなかったし、先の同性愛疑惑も、「セクト」の一典型的イメージがかなり先行している。 司法警察は以前から、崇教真光が、マスコミなどの批判に対してまったく抗議をしてこなかったのは、何か疚(やま)しいことがあるからだと考えており、この事件に乗じて別件で、お浄め所を「セクト」の拠点と見なして調査していたと考えてまず間違いないと思われる。
パリでは、「社会保護、健康、連帯の雑誌」、『ヴィヴィア』一九九七年四月号に掲載された潜入ルポ、「セクトと健康」は、解散通告とまでは行かなかったけれど、メディアが教団に与える直接的影響を示している。このルポは、セクトが健康を売りにして金銭を奪うので、ひっかからないように読者に情報を与えるという主旨で書かれており、崇教真光は冒頭でその代表的な例として取り上げられている。
「恐るべき日本のアソシアシオンに潜入した女性」
ベネディクトが、初級研修で、 「癌は霊障に他ならず、肉体的問題にはすべて霊的起源があり、薬は毒になるだけで、病気は逆に体を清浄にしてくれるのである」という教えを受け、「なんて狂った教えだろう」と感想をもらしている。 この記事によって、崇教真光は月並祭の会場の七月以降の賃貸契約を五月の段階で一方的に解約されることになった。もちろん、その会場の責任者が、この記事を読んだからである。会場のあるパリ郊外の地区は共産党の地盤であり、先の総選挙と何らかの関係があるだろうと予測される。
<著者紹介> 樫尾直樹(かしおなおき):1963年生まれ、慶應義塾大学文学部助教授。専門は、宗教人類学、宗教社会学。 特にフランス語圏の宗教に詳しく、日系宗教(真光・創価学会)の現地での活動についてもレポートしている。 国立国会図書館の雑誌記事索引で樫尾氏を検索してみると、いくつかの論文を知ることができる。
(解説) ちゃんとした宗教学者に、このようにレポートされるとは、いかにフランスにおける崇教真光の活動に問題点があるか、如実に物語っている。 初期研修のテキストで高橋晄正・杉靖三郎氏の書籍から引用して医学を批判しているが、今度は樫尾氏の著作でたっぷりと批判されている。 この本は公立図書館(岐阜県立・大垣市民など)や大学図書館に所蔵されている。 所蔵http://webcat.nii.ac.jp/cgi-bin/shsproc?id=BA57182659
カルト人類学の視座――日仏比較カルト/セクト論 (特集2 宗教による人権侵害、消費者被害の実態と対策)/樫尾直樹 「自由と正義」52(2)88〜101 (通号623)[2001.2]日本弁護士連合会発行 www.nichibenren.or.jp/jp/katsudo/syuppan/jiyutoseigi/2001/2001_2.html 所蔵図書館 ttp://webcat.nii.ac.jp/cgi-bin/shsproc?id=AN0032737X
<現代フランス社会のセクト現象> P96-97 部分抜粋
(1995年12月の議会報告を受けて) 1996年1月に本報告書が出版されてから、少なくとも半年の間、テレビや『ヴェエスデー』、『エヴェヌマン・ド・ジュディ』や『ヴィヴィア』などの雑誌等のメディアでセクト批判が激しく展開された。 1980-1990年代にかけてのメディアや反セクトの民間機関のセクト批判の例を挙げてみよう。
フランスには30ほどの日系新宗教があるが、その中でたとえば創価学会は、原発関係機関の近くに拠点をつくっているなどとしてスパイではないかという疑いをかけられた。ちなみに、創価学会はそのすべての嫌疑に対して名誉毀損で出版社を訴え、すべて勝訴している。その他、政治への進入や法外な献金などの批判を受けている。
同じく日系宗教の崇教真光は、「病気になったとき薬を飲むのは身体に悪い」というその薬毒論の主張に対して、健康な肉体への危害であるという批判を受けている。その他、マネーロンダリングや法外な献金などの批判を受けている。
また、エホバの証人に対する輸血拒否批判や統一教会に対する合同結婚式批判は日本と共通しており、世界で広く見られることである。
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