2010年07月01日(木) |
■この道は、こんな道のワケがあったのね〜 |
昨日からの続きになります。
私が、不思議な感じの道を見つけて、 あれこれと思いをめぐらしているところに、 いかにも、答えてくれそうな、そして、 このあたりに住んでそうなおばさんが、 通りかかったのです。 (ラッキーでした!)
そこで、このおばさんに、 声をかけてこの道のことについて 聞いてみることにしたのです。
すると、こんなことが わかったのでした。
「あの〜ちょっと、 聞いてもいいですか?」 「ええ、どうぞ。 なにかしら?」
「この道、どうして、こんなふうに、 なっているんですか?」 「ああ、この道ね。 この道は、私道なのよ。 この道の脇にある会社の」
「そっか、だから、塀もあるんですね」 「そうなのよ。 何年か前には、ここは道ではなかったの。 会社の敷地だったの。 その塀のところで、行き止まりだったの。 それがね…」
と、おばさんは、ここまで話すと、 いったん、話に区切りをつけた。 私は、黙って、おばさんの話の続きを待った。 おばさんは、ゆっくりと話始めた。
「区の道路整備で、道路が拡張されたり、 キレイになったりしたんだけどね、 この道の、すぐ先の道路もキレイになってね、 道路幅も広くなって便利になったから、 通る人が多くなったの。 それで、この敷地を解放してもらった、 ということらしいわよ、 そのほうが、便利ってことで」 「ああ、なるほど…」
「この道がこうして、解放されたから、 私なんかにはとても便利ね。 それに、こうして、半分閉じられていると、 車の出入りはできないから、 安心だし、静かだしね。 この道は、ありがたいのよ」
ということで、 この道は、横の会社の 私道で、住民の便利を考えて、 解放した道だとわかったのだった。 当初は、行き止まりだったらしいけど。 (たぶん、左側の建物の会社だと思う)
私は、頷きつつ、 さらに、疑問をぶつけてみた。
「ところで、この門のようなものは、 なんだったんでしょうね?」 「ああ、これね〜 そういえば、なにかしらね。 聞かれるまで考えたこともなかったわ。 なんだったのかしらね〜」
おばさんは、この門のようなものの ことまでは、記憶に残っていないようだった。
私は、ここまで聞いて、 おばさんに教えてもらったお礼を言い、 立ち去ろうとした。
すると、おばさんが、 突然、こう言った。
「ま、なにかはわからないけど、 なにかだったと思うわ」
私は、もっともだと思い、 また立ち止まり、頷いた。 すると、おばさんは、 さらに、こう言った。
「あなたね、この道はね、 とっても風通りがいいの。 夏場なんか涼しいのよ。 とても気持ちがいいの。 道があるって、 すばらしいわね」
私は、おばさんの口からでた 意外なことばに驚きつつ、大きく頷いた。 そして、こう同意した。
「そうですね、 道があるって、 すばらしいですね、 どんな道でもね」
今度は、おばさんが大きく頷き、 私たちは、笑いあった。
そして、再び、お礼を言い、 おばさんと別れたのだった。
ともかく、この変な道は、 とても重宝がられていることが わかったのだった。
そうですね、 道があるって、すばらしいですね。 そこに道があるから、人は進めるのですね。 というわけで、路地の道のお話でした。
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