まゆのウォーキング、ぼちぼち日記

2008年12月04日(木) 心に残る話…「夫が変わった…どうしたんだろう?」

さて、今週は、いいお話特集でしたが、
その最後は、かなり迷ったのですが…
(いいお話がまだまだたくさんあるので)


「やっぱり…
 この話だな」




と思ったお話です。



今日も、昨日に引き続き、
「こころのチキンスープ 愛の奇跡の物語」
からです。




昨日も書きましたが、
「こころのチキンスープ」シリーズで、
この「愛の奇跡の物語」は、特におすすめです。
ぜひ、読んでみてくださいませ。








愛の力…
「バレンタインデー物語」
(43〜46P)




ラリーとジョアンは、どこにでもいるような
ごくありふれた夫婦だった。
どこにでもあるような街の、ごくありふれた家に住み、
家計をやりくりし、子どもたちを一生懸命育てていた。
そして、しょっちゅう、お互いのせいで
うまくいかないと口げんかをしていた。





ところがある日のこと、
信じられないような事件が起きた。
ラリーがこう言い出したのだ。





「ねぇ、ジョアン。
 うちには魔法の引き出しがあるのを知っていたかい?
 いつ開けてもきれいになったソックスと下着が
 ちゃんと並んでいるんだよ。すごいだろう!
 これもみんな君のおかげだ。
 何年ものあいだありがとう」




ジョアンは、メガネ越しにけげんそうに
ラリーの顔を見るとこう言った。



「ラリー、また何か欲しいんでしょう…」
「いいや、ただ魔法の引き出しが
 本当にありがたいって、言いたいだけさ」




とラリーは答えた。
ラリーが変なことを言うのはこれが初めてではないので、
ジョアンは、気にもせずに聞き流した。

ところがそれから2,3日たったある日のこと、
ラリーがまたこんなことを言った。



「ジョアン、今月使った小切手の控えには、
 ほとんど間違いがなかったね。
 16のうち15もきちんと合っていたよ。
 新記録だね」




ジョアンは、自分の耳がおかしいのではないかと思った。
縫い物の手を止めて言った。



「ラリーどうしたの?
 あなたは私が小切手の番号を間違って書いて
 ばかりいるって、いつも文句を言ってたじゃない?
 なぜ急に言わなくなったの?」
「理由なんてないよ。
 一生懸命やってくれているから、
 感謝してるよって言ってるだけさ」




ラリーの返事にジョアンは首をかしげたが、
また縫い物に戻った。




「いったい全体、
 何があったのかしら?」





とひとりごとを言った。
翌日、マーケットで買い物をすませた時のことだ。
ジョアンはいつものように支払いの小切手を書いたが、
使った小切手の控えを正しく記録したかどうかを確認した。
「どうしてこんなくだらない番号が
 気になってきたのかしら?」
とつぶやいた。


ジョアンは気にかけまいとしたが、
ラリーの奇妙な言動はさらに続いた。
ある夜のこと、またラリーが言った。



「ジョアン、夕食とてもおいしかったよ。
 いつも大変だね。
 考えてみると、結婚して15年になるから、
 家族のためになんと1万4000回も
 食事を作ってくれたことになるね、
 ありがとう」




ラリーはさらに続けた。



「それに家の中も、
 いつもきちんとしている。
 ずいぶん大変だろうね」




ラリーの言葉はまだ終らなかった。




「君がいてくれて
 本当に嬉しいよ」





こうまで言われると、
ジョアンは心配になってきた。



「いったいこの人は、どうしたんだろう?
 例のいやみはどこに行ってしまったんだろう」




と首をかしげた。
16歳になる娘のシェリーまでが、
ある日言った。



「ママ、パパがなんだか変よ。
 私のことを「きれいだね」って
 言うんだもの。
 私の服もお化粧も、
 パパが気に入るわけないのにね。
 パパ、どこか悪いの?」





これを聞いて、
ラリーはやっぱり変だと
確信した。

来る日も来る日も、
ラリーはすべてに明るく前向きだった。



こうして何週間か過ぎると、
ジョアンは夫の奇妙な行動に慣れてきて、
時折しぶしぶだが、
「ありがとう」
と言うようにさえなった。

ところが、ある日、
夫はいよいよ考えられないような
おかしなことを言い出した。
今度はさすがの彼女もわけが
分からなくなってしまった。





「ひと休みしたらどうだい?
 僕が食器を洗うから、
 フライパンをそこに置いて、
 キッチンから出てくれるかい?」




と言うのだ。
ジョアンはとっさに返事ができず、



「ありがとう、ラリー。
 ありがとう」




と言うのがやっとだった。
それ以来、ジョアンは、足取りも軽くなり、
歌を口ずさむことさえあった。
自信を取り戻し始め、以前のように
不機嫌でいることもあまりなくなった。




「こんなラリーも
 悪くはないわね」





そう考えるようになった。
ところがこのストーリーは
まだこれでおしまいではなかった。

今度は、ジョアンが
ラリーにこう言ったのだ。





「私たちのために、
 あなたは何年ものあいだ
 せっせと働いていてくれていたのね。
 それなのに今まで、
 何も言ったことはなかったわ。
 ラリー、ありがとう!」





ラリーがどうして変わったのかは今でもわからない。
ジョアンは何とかその理由を聞き出そうとしたが、
ラリーは話してくれなかった。

でも、たとえそれが謎のままで、
終るのだとしても、
こんな謎なら大歓迎だ。

読者の皆さんには、おわかりですね。
そう、私がジョアンなのです。


        (ジョアン・ラーソン)
            ここまで引用




私は、この話がとても好きです(笑)
本には、こんなステキなお話が
いっぱいにつまっています。

気持ちが落ち込んだとき…
イライラして仕方ないとき…
どうしようもなく寂しいとき…
ありますよね…

そんなときに、
心あたたまるような話の本を、
ぜひ、読んでみてください。
きっと、気持ちが変わりますよ。

12月は、せわしい月ですが、
ゆったり、まったり、ぼちぼちで、
心豊かに、ほかほかで過ごしてくださいませ。
笑顔を忘れないように…しましょう!





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