2008年09月03日(水) |
リサイクル自転車の実態 |
またまた、昨日からの続きになります。
私は、おじさんの後について、 事務所に向かった。 事務所に行くと、すぐに、
「なにか身分を証明できるもの、 お持ちですか?」
と、身分を確認され、 そして、さらに、
「撤去費用、3000円 いただきます」
と、言い渡されて、 撤去費用として3000円を支払った。
身分証明書提示も、3000円も、 返還するときには、持ってくるように、 返還看板に書いてあったので、素直に応じた。
おじさんは、3000円は安い方で、 豊島区や中野区では、 5000円だと教えてくれた。 この金額は自治体によって違うと いうことだった。
そんなやりとりをしながら、 放置自転車の実態をいろいろと聞いた。
「ここにある自転車は、 引き取りに来ない自転車ですよね? 引き取りに来る確率は どのくらいなんですか?」 「そうだなぁ…多くても6割かなぁ。 5割来たら、いい方だね」
「え、じゃ、どんどんたまりますね…」 「だから、ごらんの通りの状態になるんです」
私は、思わず聞いた。
「引き取りに来ないのは なぜなのかしら?」 「はっきりと実態はわからないけど、 3000円出すなら、新しいのを買おうとか、 盗んだ自転車も多くあるだろうし、 盗まれたと思って、あきらめている人も いるだろうし… でも、ともかく自転車に、 愛情をかけてないことは確かだね」
ということで、乗っている自転車に 愛情をかけてない人が多いということが、 わかったのだった。
そして、 この愛情をかけてもらえなかった自転車たちは、 この広い保管場所で、野ざらしにされ、 保管期間の45日間が過ぎると、 廃棄処分されるということだった。
もっとも、行政でもそんな事態を極力避けるために、 盗難登録がされている自転車の場合は、 取りに来るように、通達するそうだが、 それでも来ない場合が多いそうだ。
なんだか、自転車たちが とても気の毒に思えた。 悲しい話だね。 いつもお世話に なっているのにね。
「リサイクルはしないんですか?」 「したいけどね〜 お金がかかるんだよ、売る以上に。 1台、ちゃんとリサイクルしようとすると、 点検や部品交換、手入れ、保管費用、 その他のもろもろの経費などを入れると、 8000円〜1万円くらいはかかるんだ。 でも、リサイクルで売る価格は、 だいたい8000円くらい。 だから、赤字になるんだよ、下手すると」
「そっか、赤字なのか… リサイクルも簡単じゃないんですね」 「だから、赤字にならないように、 今は、かなり状態のいい自転車でないと、 リサイクルには回さないんだよ。 リサイクル自転車は、人気があって、 すぐに売れるけど、それは状態がいいから。 でも、残りの自転車は、すべて、 廃棄処分となり、壊されるんだよ」
そんなわけで、 状態のいい自転車をリサイクルするのだが、 状態のいい自転車は引き取り率が高く、 従って、リサイクル自転車はの数は少なく、 購入は、いつも抽選になるそうだ。 8000円だものね。
そんな話をあれこれして、 最後におじさんはこう言った。
「引き取りに来て ほしいよね… 自分の自転車、 大切にしてほしいよね」
私も、心からそう思ったので、大きく頷いた。 そして、お礼を言って事務所を離れ、 我愛車を引き取り、 その愛車に乗って、家に帰ってきた。
その帰り道は、 放置自転車らしき自転車が 目について仕方がなく、この自転車たちが、 大切にされているといいなぁと 心から思ったのだった。
てなわけで、放置自転車を引き取りに行き、 放置自転車の実態を知ることができたのでした。 これからは、ちゃんと駐輪場に止めようと、 思います。
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