2008年03月30日(日) |
ケンカしても…勝ち目はないなぁ… |
前回からの続きになります。
私たち2人は、この放されている犬の飼い主か確かめ、 もしそうなら、車が多くて危険なので、 つないでおくようにと注意するべくこのおばさんに近づいた。
近づいてみると、 髪を乱雑にアップし、私などはまだコートを着ていたのに、 すでに薄いTシャツに半袖、そして下はよれよれの スエットのズボンをはいている大きなおばさんだった。
私たちは、こう声をかけた。
「あの〜、この放されている犬の、 飼い主さんですか?」
すると、このおばさんは、とぼけた感じで、
「え、ああ…」
などと、はっきりそうとは言わない。 私たちは、再度、聞いた。
「違うんですか?」
すると、今度は、
「いや…そうかな…」
などと言う。 おそらく、私たち以外にも、注意されているのだろう。 だから、あいまいにしておきたいのだと思った。 そう、思えたが、本当に車にひかれそうだったので、 きっちりと注意することにした。
「あのね、さきほど、 この犬は、道路を横断しようとして、 車にひかれそうになって、 車は急ブレーキをかけて止ったんですよ。 このままにしていたら、車にひかれてしまいます。 ちゃんとつないでおいてください」
これは、私が言った。
すると、このおばさん、 女王さまの謁見の時に 棋士がする挨拶のように、 大きく腕を前に出して、 慇懃無礼に頭をさげて、 こう言ったのだ。
「ハハ〜ッ!! (大げさな謁見しぐさ) 奥がたさま〜 ありがとうございます、 わかりましてございます」 (本当にこの言い回し)
それが、明らかにこちらを 小馬鹿にした態度だったので、 私はかなり頭に来て、さらにこう言った。
「車に急ブレーキをかけさせて、 周りの車にも危険なんですよ。 ちゃんと管理してくださいっっ」
すると、今度はこのおばさん、 ふふんと鼻を鳴らした感じで、 こう言ったのだ。
「は〜い、 わかってます〜〜」
これまた、かなりこちらをおちょくったような 言い回しだったので、私はキレかかって顔に 怒りを表した。 すると、私と一緒にいたおばさんが、 そんな私の怒りを制して、こう言った。
「わかっているのなら、ちゃんと つないでおいてくださいね」
おばさんがこうしっかり言ってくれたので、 私も少し落ち着き、大きく頷いたが、 この大きなおばさんの次のことばで 完全にキレてしまった。
「でもね、綱がないの。 綱代だしてくれる?」
私は完全に呆れ、そして怒ってしまった。 無謀にも私より強そうで、一癖も二癖もありそうな この大きなおばさんにケンカを売りそうになった。 すると、またしてもおばさんが私を制止し、 かなりキツイ調子でこう言った。
「あのね、あなたね、 そんな無責任なことなら、 そして、綱代もないなら、 犬なんて飼うんじゃないわよ。 今回のことは、近所の交番に、 届けておきます。 首輪もしてないし」
すると、無責任おばさんは、 全然平気そうに、こう答えた。
「は〜〜い、 わかりましてございます〜」
この時点で、私たちは、このおばさんに なにを言っても無駄と理解した。 ケンカしてもおそらく無駄だ。 私たちは、言うことを言ったので、 この場から立ち去ることにした。 こう話あって。
「らちがあかないようですね」 「そのようですね、私、交番に 伝えておくので、今日はこれまでに しましょう」
それで、私も、ケンカすることを諦め、 (ケンカしても勝ち目はなさそうだし) おばさんに後を任せて別れた。 あの大きな無責任おばさんは、相変わらず、 ぶらぶらとこのあたりを歩き周り、 犬たちもふらふらとその周りを歩いていた。
そして、この後、 今度は帰るときに、このおばさんが どうしているのか見に、 またこの場所を通ってみたら、 まだ、相変わらず、同じままでいた。
こんな人が、犬を飼っているのだなぁ… と、なんだか悲しくなってしまった。 あの犬だって、いつ何があるかわからない。 複雑な気持になったのだった。
今度また、行ってみて、もしまだこの状態なら、 またあのおばさんに挑み、また言いたいと思います。 そして、交番に私もきっちりと危険を伝えるつもりです。 てなわけで、ケンカをしそうになった顛末でした。
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