2007年11月29日(木) |
H本事件の、残念で半端な結末 |
私は興味津々である。 この状況が、どう収拾なされるのか。 おばさんも心配そうに見守っていた。
ともかく、 このとんでないビラを なんとかしなくてはいけない。 しかも早急に。
私は、一刻も早く、このビラを拾い集めるために、 お巡りさんたちが何かをしてくれることを期待した。 例えば、大急ぎでゴミ収集車を呼んでくれるとか、 応援のお巡りさんを呼んでゴミを拾うとか、 もちろん、そうなれば、私も手伝うつもりはあった。
しかし… ことはそうは 行かなかったのだ。
驚いたことに、 何を思ったのか、 この二人のお巡りさんは、 また自転車に乗り、 この場所を離れようとしたのだ。 私は思わず、声を出した。
「えっ、行っちゃうんですか? このままにして?」
すると、お巡りさんの一人が、
「ええ、ちょっといろいろと 調べないといけないことがありそうなので、 いったん交番に戻ります。 そのあとで対処しますから…」
と答え、 二人ともいなくなってしまったのだ。 しかも、なぜか、別々の方向に 自転車に乗って行ってしまったのだ。
あらら、 お巡りさんたち、 行っちゃったよぉ…
というわけで、呆然としている おばさんと私を残して、 お巡りさんたちは、いなくなってしまった。 思わず、私とおばさんは顔を見合わせ、 ため息をつき、二人で、
「困りましたねぇ… あとの対処って何でしょうね。 いつ戻ってくるんでしょうね、 何を調べるんでしょう、 いつまでこのままなんでしょう…」
などと話し合った。 しかし、私たちにはどうすることも出来ず、 しばらく立って待っていたけど、 お巡りさんたちは、 いっこうに戻ってくる様子もない。
私は、だんだん帰らねばならない時間に なってきたので、かなり悔しいことだが、 おばさんに事情を話し、この場を離れることにした。 おばさんは、頷きこう言った。
「このままにはしておけないから、 あとでゴミ袋を持ってきて拾うわ」
おばさんは、 この近所に住んでいる方だったのだ。 私は、
「気をつけて拾ってくださいね。 車の往来もあるから」
と言って、おばさんと別れた。
そんなわけで、この後、どうなったのか、 お巡りさんたちは、どう動いたのか、 何か事件性があったのか、悔しいが、 最後まで見届けることが出来なかった… 残念!!
駅に向かう帰りの道々で、 こんなことをした人は、どんな人なんだろうと考え、 そして、自分なりに推理をしてみた。
Hな本が大大好きな人で、 ひっそりとコツコツとH本を買い集め、 誰にも知られずに密かに本をためていた。 そして、この本を見ては喜んでいた。 H本を集めることだけが生きる糧だったのだ。 (きっとこんな人は、女の人にはモテないね)
しかし、ついに、 それが誰か(母とか家族に)に 見つかってしまったのだ。 そして、ものすごくびっくりされ、 怒られるか、非難されて、 どうしても、どうしても、 処分せざるを得なくなったのだ。
しかし、とてもそんなに簡単に、 処分するなんてできない。 だって、長い時間とお金もかけて集めてきた 自分にとっては宝モノだから。 それを捨てるなんて…ものすごく悔しい。 泣く泣く捨てることにしたものの、 ただ捨てるには忍びない。 そこで、道路にばらまいたのだ。 せめてもの腹いせと、 コレクターとしての存在を示すために。
こんな人なのではないか、 私は勝手にそう思い結論づけた。 しかし、どんな理由があろうと、 こんなふうにばらまくなんてとんでもない。
「こんなことをした人、 出てきて拾いなさい!! 拾ってさっさと 処分しなさい!!」
私は心の中で、犯人に怒ってやった。 でも、この後、どうなったんでしょうね、 あーあ、最後まで見たかったなぁ… お巡りさんたちが何かしたのか、なんて。
というわけで、かなり 残念で半端な結末になったのでした。
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