2007年04月02日(月) |
ビターチョコレートのゆくすえ |
ちょっと前に、知り合いから
「これ、すごい味だから食べてみて。 驚きの味だよ。」
と、こんなチョコレートを進められた。
一かけ食べてみると、確かに、チョコレートとは思えない、 とても渋いような、えぐいような、何ともいえないような、 おいしくない味がした。 (好きな方、ごめんなさい)
「あ、ほんとだ…すごい味だね」
などと言いながら、無理やり呑み込んだ。 どうやら、誰も引き取り手がいないらしかった。 そこで、私は、何かの役に立つかも…と思い、 思い切って引き取ることにした。
さて、ご存じの方も多いこのチョコレートは、 少し前に、CMも流され、かなり売れていて、 発売元の明治製菓の説明によると、 こんなビターチョコレートらしい。
「カカオ分99%のビターチョコレート。 砂糖を一切加えずカカオ分で仕上げた究極の ビターチョコレートです。 非常に苦いのでお口で少しずつ溶かしながら、 甘い飲み物と一緒に召し上がることをお勧めします。」
どうやら、高カカオ、高ポリフェノールらしい。 それがどうしたと思って、調べてみたところ、 ポリフェノールには、強い抗酸化作用があり、 老化の原因と言われる活性酸素を除去する働きがあり、 若さを保つにも、健康にもいいらしいことがわかった。 味はさておき、ともかく、 究極の誇り高いチョコレートだったのだ。
今日はこの 究極のビターチョコレートの ゆくすえの話である。
このビターチョコレート、 引き取ってから、冷蔵庫でひっそりと、 食べられるのを待っているようだったので、 ついに、何かを作ってみようと思い立った。
そして、このたび、
「そうだ! チョコレートパンに しちゃおう」
と、思いついたのだ。
ビターチョコレート側からしたら、 「パンになるために生まれてきたんじゃない! それではビターかたなしである!」 という反対意見もあると思うが、 食べてもらえれば、嬉しいはずである。
それに、このビターチョコレートを くれた知り合いに、チョコレートパンにして、 お返ししたら、きっとビターチョコレートの 価値も上がると思ったのだ。
で、さっそく、パン作りに 取りかかることにした。
■まず、このビターチョコレートを溶かし、 ビターチョコレートの存在意義を破壊する、 生クリームと砂糖を入れて、やわらかい味にした。 見た目も味も、とてもマイルドになった。 ここで、すっかりビターは骨抜きにされた。 ごめん。
■これをパン生地にのせて、その上に ピーナッツの砕いたものをのせる。 ビターでなくなっただけでなく、 ピーナッツも振りかけられた。
■これをくるりと巻くと、こんなふうになる。 すっかり包まれてしまった。
■これを、焼くと、ほら、こんなふうに とってもおいしそうに焼き上がる。
■なんの変哲もないコッペパンのようにみえるが、 (チョコレートがやわらかくて、うまく切れないけど) 半分に切ってみると、こんなふうに、 チョコレートとピーナッツのかけらが たっぷりとはいっているのだ。 ここまでくると、もう、 誇り高いビターチョコレートの面影はない。
■しかし、時々、チョコレートがもれて、 こんなふうに出来上がるのもある。 ビターチョコレートが怒っているのかもしれない。 これは、自宅用とする。
というわけで、究極の、 誇り高いビターチョコレートは、 みんなで食べれる 手頃なチョコレートパンに なったのだった。
知り合いに持っていったら、 大喜びで、大好評で、 「あの、ビターチョコレートが こんなふうに変身するとは…」 ととても喜んでくれた。 よかった、よかった。
ビターチョコレートにとっては、 本分ではないと思うが、 許してもらうことにした。
ついでなので、他のパンも一気に焼くことにした。 (私は自宅で食べるパンは、ほとんど焼いている) いつものブドウパンと、フォカッチャも焼く。
で、全員集合してみた。 ほら、こんな感じ。
(チョコレートパン、失敗したのは、 写真からはずして撮影)
てなわけで、今日は、 ビターチョコレートがチョコレートパンに 変身した話でした。
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