2006年08月28日(月) |
スーパー「いなげや」の謎 |
わが家の周りに「いなげや」という名前の スーパーマーケットが2軒ある。 私は、両方時々利用しているが、 「同じ「いなげや」でも、随分店の雰囲気が 違うものだなぁ…」 などと思っていた。
だって、 外観からしてこんなに違う。
《キレイ店の方》
《すべてが手作りって感じの店の方》
お総菜売場だって、こんなに違う。 合理化されたきれいな大きな店と、 あくまですべてが手作りの店って感じだ。
《キレイ店の方》
《すべてが手作りって感じの店の方》
しかし、あるとき、 お総菜売場を見ながら、ふと、 「この2つの店は同じ系列の店なのか?」 と疑問に思った。
変だな…
同じお総菜がひとつもないぞ。
それに、店の雰囲気があまりにも違いすぎる。 片方は、ちゃんと制服があるしな。
うーむ、何か違う…
そこで、先日、 手作り風の方の店に行ったとき、お店の人に、 「あの〜、このいやげやさんって、 あのいなげやさんと 同じ系列店なんですか?」 などと、分かりづらく聞いてみた。 (実は、私はこちらの方をよく利用しているのだ)
すると、 「あのいなげやって、あの大きないなげやですか?」 「ああ、そうです、そうです」 「いいえ、うちは違ういなげやですよ。 うちは漢字で書くんです「稲毛屋」。 うちは、この場所と、あと杉並にあるだけ。」 「ああ、そうなんですか… やっぱり違う店だったんですね」
ということで、 まるで違う店であることが判明。 「いなげや」と「稲毛屋」は違うのだった。
よーく観察してみれば、 店名も、「いなげや」と「稲毛屋」だし、 店の作りも、 まったく似て非なる物であることはわかるはずだが、 でも、まさか「いなげや」という名前のスーパーが 2つあるとは思ってもいなくて、 同じ店だと思い込んでいたのだ。 うかつであった。
そんなことを思っていると、お店の人が こんなことを言い出した。
「もっとも、前身は同じ出どころで、もともと 「うなぎや」という店から枝分かれした らしいですけどね」 「へぇ…そうなんですか、でも、どうして、 「うなぎや」から、「いなげや」に なったんでしょうね?」 「さぁ、なんででしょうね…「い」と「う」 隣どうしだけどね」
ということで、前身は同じ「うなぎや」で、 根っこは一緒らしいという情報を得た。 でも、なぜ「うなぎや」が「いなげや」に なったのかは不明。 私は、創業者が、「うやぎや」では、 鰻しか売れないのではないかと危惧したんだと思った。
なんてことを考えながら、 帰ってきて、この2つの店のHPを見てみたら、 なんと、驚くべきことがわかったのだ。
まずは、大きなキレイな「いなげや」の方ね。
こちらのスーパーマーケットは、首都圏中心に 129店舗も出している大型スーパーマーケットで、 創業は明治33年だって。
そして、店名の由来は、 「店名は鎌倉時代に翁の出生地一帯を統治していた 地方豪族、稲毛三郎侯にあやかったものです。」 などと、書かれていた。 ちなみに創業者は、猿渡浪蔵翁だって。
なんで、猿渡翁は、 地方豪族の名前にあやかったのだろうな…
あっ、そうか…
もしかしたら、猿渡翁が、 店名を考えているとき、本家の「うなぎや」と 地方豪族の「いなげや」がなんとなく似てる!と 閃いたのかもしれない。 そうすれば、「うなぎや」にも、顔が立つ… 「いやぁ、うなぎやを立てながら、地方で、 名の売れている「いなげや」にしたので、 一石二鳥だな、わはは」 なんて考えたのかもしれないなぁ… 私としては、「猿渡屋」でもいいのではないか、 などと思ったりしたが、ともかく、 「うなぎや」のことは書いてありませんでした。
まっ、そんな猿渡翁の話はさておき…
驚いたのは、 手作り派の「稲毛屋」である。
もちろん「うなぎや」のことは、書いてないし、 HPも徹底した手作りである。 従業員がみんな顔出ししていて、 話を聞いた店の人も、ちゃんと出演していた。
なにより、なんと、 店長であり、社長は、現役の 「早稲田商店会会長であり、衆議院議員」 であることがわかったのだ。
ひぇ〜びっくり。
この手作り風「稲毛屋」は 衆議院議員の店でもあったのだ。 安井 潤一郎衆議院議員その人である。 って、私は、地元だけど、 全然知らなかったけどね。
まっ、衆議院議員だから、 どうしたってことでもないけど、 それなら、もう少し店をキレイにしてほしいな、 などと思ってみたりした。
ともかく…HPの作りも、 まったく違う2つのスーパーマーケットである。 時間がある方は、どうぞ比較してみてください。 ◆立派過ぎる→「いなげや」 ◆あくまで手作り→「稲毛屋」
なんて、店の歴史を書いてしまったが、 実は、今日は、 こんな話を書きたいのではなかった。
実は、「いなげや」と「稲毛屋」の お総菜の話を書きたかったのである。
お総菜も、「いなげや」は徹底した管理の元で 美しく盛られたお総菜なのに対して、 「稲毛屋」では、徹底して手作りなのである。 これが…結構すごいのである。 ときどき…これはどんな味がするんだろう…と 思うようなお総菜もでているのだ。 つまり、ちょっとあやしい…
明日は、この総菜たちの話です。
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