2006年02月15日(水) |
おんぼろ家…すごいわ。 |
昨日からの続きです。
解体の現場を後にして、 閑静な住宅街にさしかかった。 庭の広い家や、大きな家が多い地区である。 そこを歩いていると、
わぁー こりゃ、すごいわい。
と思うような、 とんでもないおんぼろ家が 目に入ってきた。
こんなおんぼろ具合。
ひえぇ… ぼろぼろだよぉ。
こんな閑静な住宅街なのに、 こんなおんぼろ家…どうしちゃったのぉ? この辺は住宅密集地だよ。
しかし、よく建っているなぁ… 地震が来たら、すぐに壊れちゃうだろう… いいのかこんな家があって。 このままでいいのか…この家? なんで、この家をこのままにしておくのだろう。 見ているうちに、疑問が次々にわいてきた。
私はあまりの、ぼろさかげんにあきれ果て、 また、写真を撮り始めた。 (って、いつものことだけど…)
すると、そこに今度はおばさんが通りがかった。 おばさんは、私が写真を撮っていると、 「この家の人?」と話しかけてきた。
「いえいえ、とんでもない、 ただ、すごい家だなぁ、ちょっと前にあった、 震度4の時によく倒壊しなかったなぁと思って」
すると、おばさんはこう言った。
「私は、ちょっと先に住んでる者なんだけどね、 ホント、どうにかして欲しいのよ。 誰が見たって危ないでしょ?」 「うん、危ない…」 「でもね、この家、強い地震があっても、 つぶれないのよ…不思議だけど。 傾くんだけどね、倒れないの。 でも、今度地震があったら、わからないよねぇ」
この家、なかなかしぶといらしい。 数々の地震にも耐え、風にも耐え、 倒壊せずに、建っているらしい。 しかし、見るからに危ない。 両隣に、密接しているし…
「もう大分傾いてますよ、」 どうして、壊さないんですか?」 私は思わず聞いた。 すると、おばさんはこう教えてくれた。
「あのね、この家主さんが壊さないのよ。 なんでも、お金がないとか、 この土地が売れないからとか言ってるらしいのよ」 「でも、これじゃ、お隣さんにも 大きな迷惑かかっているのに…。 家主さんは、この辺に住んでいるのですか?」 「ううん、違うところよ。だから平気なのよ」
「ともかく、壊すのに相当なお金がかかるとか言って…」 「でも、お金がかかってもこのままじゃ、 いけませんよねえ…」 「そうなのよ、とにかく、何とかして欲しいわよね」
私は、大きくうなづいた。 おばさんも、大きくうなづいた。 困ったことである。
お節介を重々承知で言うが… 何とかする義務があると思うぞ、家主。 お金の問題じゃないと思うぞ、家主。 このままじゃいかん。 それに、 壊した方が、あの土地売れると思うぞ。
しかし… このような家をどうしてこのままにしておくのか… 何か、お金以外のとても人には言えないような、 訳でもあるのだろうか… 例えば、ほっくり返されたら、まずいことがあるとか、 もしあるなら、ぜひ、聞いてみたい。
お金だって、 何かあって、お隣さんに迷惑かけたら、 それこそ保障問題になって、 もっと、お金がかかるだろうに…
おばさんの話がどこまで本当かは わからないけど、とにかく、 家主は何とかするべきだと私は強く思った。
例え、人に言えないような訳があったとしてもだ…
私は、怒りと疑問を残しつつ、おばさんに さよならを言って、このおんぼろ家から離れた。
まだまだ使えそうなビルや、 家を解体していれば、 もう何があっても絶対に使えないひどい家を、 そのままにしておく所もある…
なんだかな…
うーむ、この家は、 見続けていかねばなるまい… この先を見届ける必要はあるな…と 私は強く思った。
動きがあったら、またご報告します。 この家どうなるのか…
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