井上靖 著「氷壁」 200頁くらいまで読む。 以前買った「日本百名山」を片手に、地名や山名が出てくる度に 挿絵の如く百名山を参照しては、Aフェースだの、徳沢小屋だのと 登山特有の地名を目で追って、「氷壁」の世界に想いを馳せる。
まだまだ冒頭〜中盤に差し掛かろうとする場面なので この先どう評価が変わってくるかわからないが 主人公、魚津の上司にあたる「常盤」の人物像が なかなか今の時代には見かけることの出来ない剛の者で興味深く面白い。
登場人物の精神年齢が皆恐ろしく高く、人間的にしっかりし過ぎている、 という印象を受けたのは、それが昭和の時代像だからなのか、 言い換えれば、今の時代の同年代の精神年齢が低い所為なのだろうか、 あるいはそれが井上靖のスタイルなのか 私が単にそう感じてしまっているだけなのかは、謎である。
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