2011年01月01日(土) |
年越しライヴ(DVDだけど) |
【ザ・ビッグ・フォー史上最強の夜!デラックス・エディション】
年越しはこのライヴDVDとともに過ごすことが出来ました。 大晦日の23時頃から観始めて、観終えた時には明け方。まさかの6時間構成。 さすが4バンド分のボリュームが詰め込まれてるだけありました。
【ANTRAX 】 どのバンドも80年代に結成し、約30年経った今では良くも悪くも『大人の雰囲気』が出てきた中、彼らだけは未だもって若々しい。 やんちゃ坊主で元気に暴れまわる姿は、1番手に相応しく初っ端からオーディエンスにガツンとパンチを喰らわせていた。 他の3バンドと共演できることが本当に嬉しいみたいで演奏中も終始舞い上がっていた。 そういうところが(良くも悪くも)若々しいと思えてしまうのかもしれない。
【MEGADETH 】 2番手、一転してトリッキーでテクニカルでインテリジェンスに富んだスラッシュメタル。 欧州肌に合う楽曲が多く、オーディエンスのノリが一番良かったようにも見えた。 注目すべきはやはりフロントマンであるデイヴ・ムステインのカリスマ性。 作詞者であり、作曲者であり、ヴォーカルであり、時にリードも担当するギタリストはまさに、フロント オブ メガデス!別名 "ムステインバンド" と言われるくらい彼の影響力は大きい。 結成30年にしてようやく成し得た今回の奇跡のライヴ。それは4バンド全てに言えることでもあるが、最もその意味合いが強いのは間違いなく彼らであろう。(※) (※1…デイヴ・ムステインは83年にMETALLICAを解雇されMEGADETHを結成している)
【SLAYER 】 4バンドの中で、最も破壊的で凶悪なバンド。 メンバー全員が一目で『こいつら絶対人殺してるんじゃね?』と思ってしまうほど、なんかヤバイオーラが出てる。見た目だけで十分ヤバイ。 そんな彼らが繰り出すメロディは、見た目通りの破壊と殺戮に満ちた全てをなぎ払うメロディ。…いや、メロディと言えるかどうかもわからない。 あまりの激しさにオーディエンスが逆についていけず、どう反応していいかわからない感じであったが、そんなのお構い無しに突き進む彼らの演奏はむしろ清々しかった(笑) 「もはやスラッシュではない」とかなり早い段階で言われ始めた他のバンド(特にMETALLICA)の中、彼らだけは変わらずスラッシュというカテゴリブランドを守り続け、今回のお構いなしっぷりも、ある意味彼らなりに他のバンドへ『この軟弱者め!しっかりしろ!』というメッセージを叩き付けたかったのかもしれない。 時に悪魔的で宗教的なオーラすら感じられる彼らの曲は、ついていけないオーディエンスが何割かを占める中、一部のコアなオーディエンスの熱狂振りでもわかる。 でもやっぱり慣れない人だかりで若干緊張して舞い上がっていた様に見えたのは…やっぱり人の子か。
【METALLICA 】 言わずと知れた大御所。スラッシュ "四天王" と言いつつ、どんなに客観的に見てもやはり彼らの存在だけは頭ひとつふたつ抜きん出ている。 演奏力、楽曲、パフォーマンス、カリスマ性、どれをとっても圧巻の内容は、失礼ながらそれまでの3バンドですら『彼らのための前座なのか?』と思えてしまうほど。 彼らを観に来たわけではないであろうオーディエンスですら完全に支配し、掴み、煽り、昇華させ、会場全体をコントロールする様はまさに王者の貫禄。踏んでる場数の違い、経験の差が如実に出ていた。 他の3バンドが大衆を前に少なからず緊張し、舞い上がっている部分が見られた中、彼らだけは慣れたものだと余裕すら感じられたのは、彼らが生粋のライヴバンドであり、ライヴでの楽しみ方の極意を知っている唯一のバンドだからであろう。 楽曲は4番中最も「スラッシュ」らしからぬ選曲が多かったのは、今回の内容を見越して彼らなりにバランスをとったつもりであろうか?それとも同じ土俵での勝負を避けたのだろうか? スラッシュ "四天王" で一番成功したバンドが、一番スラッシュメタルしてないのは皮肉だなとも思った。(だからメタリカは昔からスラッシュ四天王という言葉を嫌い、今回もBIG4(※2)と名を置き換えたのかもしれない)
(※2…"スラッシュ四天王" という呼び方をしているのは日本だけであって、海外は昔から "BIG4" と呼んでいた。BIG4という呼び名にスラッシュ四天王という意味合いがどこまで入っているのかはよくわからない。その意味合い次第で彼ら(特にMETALLICA)がBIG4という言葉を用いる意味が大きく変わってくる。)
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