(ドラクエ9あたりのの世界観で)
勇者様御一行が、ある洞窟に辿り着くとそこには1台の『ピアノ』がありました。 どうやら、そのピアノで1曲弾かないと扉は開かず先へは進めない仕組みになっているようです。 勇者様は、仲間一人一人を見回してこう尋ねました
勇『誰かピアノ弾ける人いる?』
皆一様に沈黙し、最初に戦士が答えました。
戦士『自分…不器用ですから。』
続いて僧侶が言いました。
僧侶『パイプオルガン派なので…ピアノはちょっと。』
魔法使いが言いました。
魔法『私弾いてもいいけど…みんな呪われるよ。』
武闘家さんは言いました。
武闘『早弾きならまかせろ、早弾きならまかせろーーーオリャー!』
ピアノを壊さん勢いだったので全員に止められました。 どさくさに紛れて、バトルマスターさんは言いました。
バマ『オレが弾くと・・・何故か弦がちぎれる』
パラディンさんは言いました。
パラ『今から練習するから、1年くらい待って欲しい。』
旅芸人さんと、スーパースターさんが口を揃えて言いました。
旅・ス『我々はどっちかというと・・・踊り専門なので。』
盗賊が言いました。
盗賊『誰でも弾けるようなピアノを見つけてきてやる。』
レンジャーが言いました。
レン『今から探しに行っても遅いよ、私が作ってあげるよ。』
そんなみんなのやり取りを見て、賢者さんが一言
賢者『そういう俗世なモノには無縁なので』
全員、その場で困り果ててしまいました。 このままでは先へ進めそうもありません。
否・・・、そう言えばまだ一人が呼ばれていない。 気付いた御一行は、その呼ばれてない一人を一斉に見たのでした。
魔法戦士『え?・・・オレっすか?』
皆、期待に満ち溢れた目で魔法戦士を見ています。
魔法戦士『・・・ちょ、ちょ待って下さいって!オレ、基本的に属性付けることくらいしか出来ませんから!ピアノを火属性とか水属性とかにしても、意味ないっしょ?』
期待に満ち溢れた眼差しは、途端に落胆への眼差しと変わり、中には『ケッ、つかえねぇな・・・』と冷たい眼差しを向ける者もいました。
魔戦『…ちょ、なんでオレだけそんな扱いなんスか!? ひどいじゃないっすか!』
魔法戦士くんは涙目になりました。
頑張れ魔法戦士くん。 負けるな魔法戦士くん。
・・・というピアノ練習に行き詰まった時の妄想。
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