とある知人から久し振りにメールが来たのです。 『相談がある。』と
あまりに久し振りに、しかも唐突だったので、冗談交じりに 『壷買ってとか、ダイヤ買えとか、素敵な教えに出会った…とかじゃないよね?』 と送り返したところ『違う』と言う。 『浮気か?』なんてメールを返せば 『それだったらどんなにマシか』 と思いもよらぬ返事。 最初の文面と合わせて、"これはただごとじゃない" と判断した私は 時間を作り、早くもその次の日には知人Aと何年かぶりの再会を果たしたのでした。
深夜のファミレスで、ぽつりぽつりと事の顛末を話し出すA。 詳細はここでは書けないが、確かに…私であっても『今すぐ誰かにすがりたい』と思えてしまうような深刻な話であった。 かと言って誰にでも相談できるような話でもなく、Aが四の五の言わずに私を相談相手に選んだのも、話の過程を聞くうちに頷ける。
Aは私よりも歳下なのだが、私よりもずっと強く、しっかりしたヤツだというのは昔から知っている。話を聞けば普通であれば全てを投げ出してしまってもおかしくない状況だと言うのに、それでも気丈に立ち振る舞おうとするAの姿に、むしろ感心したくらいなのだが…。ただ今回ばかりは、不安を隠すように敢えて気丈に立ち振る舞うといったような、かなり危うい強がりであるというのも感じ取れた。 出来ることならA自身の手で解決したかったのだろう、だがA一人の手に余るほどその問題は深刻であり大きく、Aでさえもどうしていいのか途方に暮れているのだという。 ファミレスでのそんなAの姿を見ていると、例え話を聞くだけでも、少しの間は誰かが支えていないと、いつ崩れ落ちてもおかしくない。 それくらいの脆さの上に作られた儚い強さだった。
幸いなことに、Aが抱える問題は『着地地点』がある程度見えている。 乗り越える山は決して小さくはないが、まずはそこへ向かって出来るところから進んで行けばいい。 私の力は微力ではあれど、せめてひと段落するまでは何かしらの支えになることが出来ればと思っている。
決して広いとはいえないが 手の届く範囲であれば…私の手は差し伸べられるのだから。
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