2009年06月30日(火) |
遅咲きのピアニスト(212) |
【曲分析:広い世界へ 2】 結局前回は分析どころか単に熱く語っただけ。すまない。
で、【広い世界へ】はどんなテーマがあるかと言うと 私は『1日の時間の流れ』だと思います。 ある意味フィールド曲としては最も相応しいテーマじゃないのでしょうか。 具体的に言うと 朝〜昼〜夕方〜夜という『1日の時間の流れ』が一曲の中で表現されているのです。
『前奏:朝』 まず最初に、出だしのハープからは『朝』を表現しています。 城壁に囲まれた街の扉をバーンと開けて、朝もやの中を外の世界へ飛び出す感じ。 最初の7小節は、前奏なのにテンションが高く朝の清々しい気持ちを表現できればと。 そして、8小節目からはそんな清々しい朝の空気を吸って少し落ち着く感じ。 勢いよく飛び出して、立ち止まってまずは深呼吸。そんな前奏パートです。
『主旋律前半:午前』 深呼吸が終わればトランペットの音と共にいよいよ未知の世界へ歩みを進めていきます。 一歩一歩を踏み出す様を、朝日が立ちのぼり、世界がどんどん活気に満ちていく様子を表現できるように。 また次のクライマックスへ繋げる手前の小節では右手がスキップ調になることもあり、小鳥さえずる足取りの軽さも表現出来るのじゃないでしょうか。
『主旋律中盤:昼〜午後』 壮大なホルンをバックにストリングスのクライマックス部分、しかもここは2回繰り返し。 楽譜のf(フォルテ)の通り、ここは力強く盛大に演奏していきたいところ。 最も躍動感溢れる小節であり、1日で最も活動的になれる昼のイメージで。 好奇心と強い決意を持って広い世界へと駆け出していくように。 繰り返し直前の右手レ♭ミの部分は、ちょっとお昼寝、たまには休めよ感覚で。
『主旋律後半:夕方〜夜』 2度クライマックスを繰り返した後、再びトランペットの主旋律が入ってきたら、それは日が西へ傾きかけてきた合図。 こちらは、同じトランペット主旋律でも前半(午前)のメロディに比べて、しっとりとした演奏がされています。 そろそろ街に帰りましょう。 最後の木管スキップ調は、ちょっと冒険頑張りすぎて夜に入っちゃったよ〜的なイメージで。
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