2012年04月04日(水) |
「人身事故」の現場より |
JR阪和線はとにかく遅延の多い事で有名である。その遅延の一番の理由が「人身事故」だ。 他では「人身事故のため遅延」としか説明されず、実感も薄いため、普段なら遅延したことに迷惑にしか思わないが、事故を起こしたのが自分の乗っていた列車だと少し話は別である。人身事故では大抵人が亡くなっているのだ。 「只今この列車におきまして人身事故が発生しました」とか「現場検証を行っています」と生々しい現状が放送で報告されるのだ。「遺体の回収を行っています」という報告があったという噂もまことしやかに語られている。 特に先頭車両に乗っていると生々しさは際立ってくる。事故を起こした瞬間に確かな衝撃も感じられ、車掌が淡々と報告し指示を仰ぐ声も聞こえる。 前面の窓から前方を見ていて、その瞬間を目の当たりにしたらしく、電話で家族に「見てしまった」と、やりきれなさを吐露している人や、不届きな好奇心を隠さずに窓から身を乗り出したり、駅に着いた途端に先頭車両の前面を確認に走る人も見られた。
阪和線は「人身事故」でよく遅延を起こす。大幅に遅延で「人身事故」の放送が流れるたび、あのような生々しい事件が起こっているのかと憂鬱な気分になる。
|
|