2012年02月29日(水) |
東京タワーの去就やいかに |
筆者の出張先の職場から定宿に帰る道の左手に赤い塔が見える。日本電波塔――通称・東京タワーである。夜はライトアップされており、完成から50年以上たった今でも存在感は抜群だ。テレビで東京を映すときは先ず東京タワーを映すくらい、長年東京のシンボルとして親しまれてきた。
この東京タワーの存在を脅かす東京スカイツリーが本日完成した。この新名所の完成をもって、東京タワーは圧倒的に不利な立場になる。本業である電波塔としての役割はデジタル放送への移行で完全に株を奪われている。 残るは観光業の方だ。今でさえ観光客はピークの4割に落ち込んでいるのに、これからは修学旅行の訪問先も東京タワーより東京スカイツリーが選択されることが予想される。 以前は圧倒的に高い位置からの展望に人も集まったものだが、その点で完全に上を行く存在があるのなら、そちらを選択するのが常道というものである。 だが、東京タワーには歴史がある。映画「ALWAYS 〜三丁目の夕日〜」で描かれるようなノスタルジックな味は東京スカイツリーにはまだ出せない。東京タワーに生き残る道があるとすれば、目新しさや技術よりも積み重ねた時間に頼ることなのではないだろうか。
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