紫綬褒章も受章したことのある『島耕作』シリーズで有名な漫画家・弘兼憲史氏の娘さんはゲームのキャラクターデザイナーとなり、息子さんは漫画家を志し弘兼氏のアシスタントとして修行を積んでいるそうだ。さらに、弘兼氏の奥方は『東京ラブストーリー』で有名な芝門ふみ氏である。 世間にも一家そろって同じ職業という例は珍しくない。特に音楽や画業など、芸術関連の職業の一家はその傾向が強いように思われる。 何故かと考えるまでもない。子供時代の環境である。画家であれば絵に、音楽家であれば音楽に触れる機会が多い。その分目が肥え耳が育ち、大人になってその業界が「分かる」。「分かる」ということは「興味を持つ」こととニアリィイコールである。興味を持った業界に将来入りたいと思うのは自然だろう。 かくいう筆者も父親と同じIT業界に足を踏み入れた。家には父親のマッキントッシュが鎮座していて、その時代にしてはパソコンに触れる機会は多かったものだ。 世襲ではないのに家族で職業を継承していく。三つ子の魂百までという言葉もあるが、三つ子の魂は十代後半から二十代前半。進学する時期、職業選択を迫られる時期にこそ、一番モノを言うのかもしれない。
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