2010年12月02日(木) |
アガサ・クリスティと麻雀 |
昨日、ヴァン・ダインの二十則の話を出したとき、アガサ・クリスティの「アクロイド殺し」を引き合いに出しましたが。この作品には僕の興味を引かれる項目がありました。 この作品の中には麻雀をする場面があるというのです。
舞台はイギリス。1920年代にはヨーロッパで麻雀が流行したということで、その風俗を描く一環として、その場面を描いたのだろう……ということです。 その考察については、参考サイトの『TWICE TOLD TALES』の記事が詳しいです。別訳でもう少し長い抜粋は『Classic story』の記事が読み応えがありました。 また他のサイト『希覯本』では、原典で各用語がどう書かれていたかも書かれています。
例えばチーはCHOW(チョウ)、親はEast Wind、三萬はThree Characters、役満はPerfect Winという具合ですね。 鳴きなどはそのまま採用されているようですが後は、結構英語化されてるようです。牌なども漢字が読めないので、英語が牌に刻まれているとか。
この『アクロイド殺し』の麻雀の風景からすると、今の日本の麻雀とそう違いを見出せませんが、同じ英語を使って麻雀をするアメリカ式麻雀はけっこう面白そうです。 ツモを始める前に、「チャールストン」といって、不要牌の交換が行われるのですね。コレは多分ブリッジあたりの既存のトランプゲームから来たものでしょうが。 他にもオールマイティのジョーカー牌が入っていたり(つまり、カンの上にもう一枚積み上げられる)、毎年、その年限定の役が更新されて、大変役が多いのだとか。 それもアメリカ人の自由な発想からか、麻雀の根底である四面子+雀頭という縛りさえ通用せず、その形ではない役がたくさんあるようです。 後々日本に輸入されてきたSeven Pairs、つまり七対子もアメリカから輸入されてきた役なんだそうで。
『麻雀実録バトル 裏技ウォッチ』にある「アメリカ式の上がり役」という記事でその片鱗を見て取れますが、なかなかアメリカらしい役がありますよ。
例えば「Civil War(南北戦争」 色Aの数牌で1、8、6、1、色Bで1、8、6、5を揃え、北×3、南×3を加えて完成します。 これは南北戦争が1861年から1865年まで続いたことを表しているのです。北と南については言うまでもないでしょう。
他には「Seven Up(セブンアップ)」(同じ色の数牌で1〜7とそろえ、東、南、西、北、白、発、中を一枚ずつ揃えればOK)等の役があるそうです。
役はともかく、チャールストンやジョーカー牌入りのアメリカ式麻雀はちょっとやってみたいですね。
【アクロイド殺し - Wikipedia】 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%82%A4%E3%83%89%E6%AE%BA%E3%81%97
【希覯本 アクロイド殺し】 http://www.cityfujisawa.ne.jp/~katsurou/rare/ackroyd.html
【TWICE TOLD TALES 若島正 - クリスティと麻雀】 http://www.inscript.co.jp/wakashima/Mystery/w23%20Christie.htm
【Come Tonight All gamers - 欧米の麻雀】 http://www.h-eba.com/heba/majan/america.html
【麻雀実録バトル 裏技ウォッチ - アメリカ式上がり役】 http://www.inukai-cc.jp/cat10/
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