言の葉孝

2010年11月24日(水) 概念は必要がない限り定義すべきでない


 まだ大学祭の話なのですが。
 大学祭の中で「愛と友情について」の展示を見に行きました。

 「友情とはこうあるべきだ」「こういうことは友情ではない」という感じで、模造紙一杯に箇条書きで書かれていました。
 書かれていることは至極もっともなことで悪くない思想だったのですが、違和感を覚えました。

 最後にメッセージを求められたのですが、頭ごなしに否定する内容ではありませんが、素直に賞賛するのもためらわれます。
 さて、なんと書くべきか?

 では、何に引っかかったのか?
 「〜であるべきだ」「これは〜ではない」という言い方です。

 愛や友情というものは非常に単純かつ複雑といえるような矛盾を含んだ概念なので、人や時によって常に千変万化していくものです。それを「〜であるべきだ」「これは〜ではない」と定義してしまい、決め付けてしまうと、そうではないときに対応できなくなります。
 特に問題が起きなければいいのですけど、状況によってはその意味を通すために結局問題のない友情関係を破壊することになったり、あるいは自分の定義と現実とのギャップに耐え切れなくなって、まかり間違って犯罪に発展してしまうかもしれません。

「愛とはこうではないか、友情とはこうではないか、考えるのは良いことです。
 ただ、定義してしまって思考を止めるのはよくない。それ以外の可能性も含めて常に考え続けることが必要なのだと思います。」
 
 僕は、そういった意味のことをメッセージカードに書きました。


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