言の葉孝

2010年10月21日(木) 教育にインターネットは×

【中3少女、詩をコピペ 受賞歴24回で4作盗用】
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101020-00000013-sph-soci

 以前にも少し書きましたが、今はインターネットを使えばなんでも調べられる時代です。質問を投げれば大抵は誰かが答えてくれます。
 読書感想文の模範解答を求めたり、レポートをインターネット上の文章から丸ごと移してきたり、あまりに手軽な情報ソースにかまける風潮が広がりすぎているのは非常に大きな問題です。
 僕のエンピツ日記にも昔書いた古英語のレポートを掲載しているのですが、「古英語」で検索してアクセスしてくる人が結構居ます。今思えば、コピー&ペーストをされているのかもしれない、と今は思います。

 以前、Yahoo!知恵袋に「子供にインターネットをさせるべきでしょうか?」と、いう趣旨の質問がありましたが、僕の答えはハッキリとNOです。キッズ向けに規制の掛かったものでも、子供はインターネットに触れるべきではないと僕は考えています。
 やはり、初等、中等教育での調べものは、アナログなやりかたで行わせるべきです。

 インターネットから話題は離れますが、子供の教育に一番重要なのは「ありがたみ」を教えることだと考えています。獲物をとり、作物を育て、何もかもを自前で済ませていた原始生活と比較すると、現代の生活はあまりにも一次生産から離れすぎ、お金を出せば出来合いの商品で何でも手に入るものとなっています。
 だからこそ、わざわざ買えば手に入る商品が、どのような苦労で成り立っているのか、今、当たり前にあるものが亡くなったときにどんなに困るか、という「ありがたみ」を教える必要があるのです。

 インターネットから子供を隔離する、というのもその「ありがたみ」を教えるのに有効な手段です。最初に調べ上げる苦労を知っておけば、インターネットの存在がどれだけありがたいか分かるでしょう。
 インターネットのほか、人間に利便性を与えているものからは、子供はできるだけ離すべきです。筆記用具もシャープペンシルではなく、鉛筆を持たせたほうがよいくらいです。

 このコピー&ペースト事件も「ありがたみ」を感じる心が薄いために起こったものでしょう。誰かが苦労して作り上げた作品。インターネット越しでは、それは分からないでしょう。だから作った人間に敬うこともなく、文章も指先一つ、30秒も掛からず自分のものとして奪い取ってしまうような真似ができるのです。

 以前、「MOTTAINAI」という言葉が広まり、国際語として定着しました。ですが、真に広げるべきなのは「MOTTAINAI」より「ARIGATAI」のような気がします。


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