言の葉孝

2008年01月31日(木) 鉄子の旅

 
 職場の最寄り駅である京橋駅(僕がよく使うのはその隣の大阪城公園駅であるが)の構内のコンビニでちらちら目に入っていた『鉄子の旅』。少し前にあちこちで絶賛されていたのを聞いており、少し興味を引かれていた。

 漫画を買うとき、僕は「知らない世界であるか」というのは非常に重要だ。漫画は取材に基づいたモノがほとんどなので、漫画知識といえども侮れない。むしろどうせ見栄を張って知識本を買ったところで、眠ってしまうだけなのだから、浅くても、ちょっとオーバーに描かれていても、知らない世界の漫画を買いたい。

 鉄道はまさに僕の知らない世界だった。
 僕は車よりも電車が好きだったりする。というのも、移動中、眠ったり本を読んだり、割と自由な時間が手に入れられるからだ。車は酔うから本が読めない。
 遠方への旅は車かバスなのだが、一度列車での旅をしてみたいという願望は割とあったりする。
 そんなこともあり、鉄道マニアはいったいどんなところに乗っていくのか? という観点で僕は『鉄子の旅』に興味を持っていたのであるが、今週ついに手に入れてしまったのである。

 鉄道マニアならではの視点で旅の様子を書いたルポ漫画なのだが、おもしろいことはおもしろいが、何せあまり駅から離れないので、マンネリ化してくる部分もある。が、そこはゲストを呼んだり(笠井アナとか眞鍋かをりとか結構豪華)、道中に起こった出来事をうまく取り上げることで、それを一生懸命防いでいるのが伺える。
 しかしこの漫画を書いたキクチさん。人物はうまくデフォルメされているし、その割に背景はきちんと描けるし、話の構成といい(道中をどうまとめるか)、フィクションは苦手そうだが、かなり実力があるんじゃないだろうか。

 ちなみに全巻買った後、横見さんのHPをみて、地元の駅のことで何か書いていないかと思ったら、阪和線のことは一言も触れていなかった。(行った駅の記録の中に駅名が載せられているだけ)
 南海本線のほうは「みさき公園」が取り上げられているが、それでも和歌山港のほうが大きく取り上げられているし。(ちなみに南海高野線のほうはいくつか「秘境駅」を取り上げられている駅がある)
 やっぱり都心から外れているとはいえ、こんな中途半端な地区はテツの心には響かないよなー。僕だってどこを取り上げていいのかわからない。

 ちなみにこの漫画で何度かテーマに取り上げられた「秘境駅」。この言葉を作った牛山氏の「秘境駅へ行こう!」ものぞいてみた。が、HPだけではいまいち僕の好きな閑散とした感じがわからない。やっぱり実際行ってみるべきだと言うことだろうか。

 この際、この漫画でも取り上げられていた有田鉄道(の廃線後)や紀州鉄道なら近いし、見に行ってもいいのではないだろうか。前からやってみたかった、「和歌山から奈良経由で大阪市に入り、帰ってくる」という一周もついでにやってみたりして。


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