言の葉孝

2005年04月24日(日) 戦争責任問題についての、青二才による戯れ言の日

 今日のお昼に『たかじんのそこまで言って委員会』という番組をみたのですが、白熱していましたねー。

 やれ、A級戦犯は実は一番悪いじゃないんだからそんなにせめてやるな、とか。
 やれ、この本を読んでみろ、南京大虐殺を実体験した人が書いたものだ、とか。
 やれ、そもそも東京裁判は明らかに公正を欠いていたのだ、とか。

 要するに最近問題になっている日中問題で焦点になっている戦争責任の問題ですが、これを取り上げると面白い程、“翼の右、左”が分かって面白いですな。
 あのオバハンはモロ左だな、とか。あのおっさんとニイちゃんは小林よしのり好みの右だな、とか。あのネエちゃん、俺と同じであいつらの熱苦しい議論に付いて行けてないな、とか。昔、日本拳法が得意だったウチの高校の英語の先生は明らかに右でした(内輪ネタ)。
 僕は中立だ、なんて言うつもりは毛頭ありません。この問題に関していうと、“どちらかといえば右”です。今の若い人達って大体そうなんじゃないですか。僕らの世代からすると、大東亜戦争なんて2世代前になるわけですよ。その頃、日本がしたことに対する謝罪を求められても、反感を覚えるだけですからね。大体、中国も分からない程バカじゃないでしょうに、そんな世代の人間に謝らせても、その謝罪には一切誠意なんてこもらないですよ。
 だとしたら、こちらに謝罪を求めている理由は二つ。被害者の立場に立つことで“正義の国”として外交に関してイニシアチブをとりたい、もしくはただ単に「賠償金」と称してカネが欲しい、ということになるわけですよ。

 そもそも、戦争で「責任」や「罪」という概念が発生すること自体オカシイんですよ。
 満州や台湾、朝鮮の占領、南京大虐殺などの日本が中国に対して行ったと思われる数々の残虐行為。これが起こったのは、“たまたま”日本が当時戦争に勝って攻め込んでいたからです。
 もし、勝っていたのが中国や朝鮮で、その軍隊が日本に乗り込んできたとしましょう。同じことを、彼らがしなかったという保証はありますか? 答えは否に決まっているじゃないですか。いや、現代の人達が答えても無駄ですよ、戦争は人を狂わせます。戦時中の人々の気持ちを理解できる人なんて平和ボケの現代人の中にいるわけない。

 同じ論理で、戦争に言ってきた兵隊さん達が人殺しと責められるのもオカシイんです。今生き残っている兵隊さん達は“たまたま”生き残っているわけで、少し分岐を間違えば、今生き残っている兵隊さん達の顔ぶれはそっくり入れ代わっていたかもしれません。
 いつ死ぬかしれない地獄の中で闘ってきた人達を責めるというのならば責めればいい、ただその時は、墓の下に眠っている戦死者達も同罪として責めなければなりません。“たまたま”死んでしまっただけで、戦死者達も人を殺してきたことには代わりはないんですから。
 だから、戦争責任については、追及するのは不毛に過ぎないんで、このへんでギャーギャー抜かすのを止めて頂きたい、と僕は思っています。

 もちろん、忘れろとは言ってませんよ? 同じことが繰り返されないように、加害者の国を監視していればヨロシイと言うのです。現在ニッポンは、戦時中と同じように中国に攻め込めるような権利と装備を有しておりませーん。質はともかく、量が全然足りない。それに、今の日本人はどこかの国に攻め込もうと思える程、余裕だったり、勇ましかったりはしませんから。
 日本やベトナムに対するアメリカと同じですよ、原爆や枯れ葉剤でトンデモナイ事やりまくってるアメリカですが、日本やベトナムが中国や韓国ほど謝罪や賠償金を請求したという話は聞きません、ただ世界中が、アメリカの国民自体も二度と同じ事をしないようにアメリカ政府に目を光らせているのです。

 教科書については、仕方がないと思いますよ。教科書を作る際はどうしても作者の主観が混じってしまうものなんですよ。授業も一つのメディアですから。
 あの問題が詳しく取り上げられてない、という中国は毛沢東の行った失策についてまるで触れていなかったそうですからね。また、スタジオに来ていた在日中国人の方の話によると、中国は情報制限をして、自国に不利になるような事実は伝えない方針をとっているらしいのです。
 よって、その情報を鵜呑みにするとすれば、今回の場合に限り、日本では真実を知ろうと思えば知られる環境、そして反国精神を持っていても余程過激な“主張”をしない限り、当局に連行されることもない表現の自由がある分、日本の教科書の方が真実には近いと思います。
 この問題に関して具体的な解決案が思い浮かばんのですが、とりあえず日本人でも中国人でもない人が作った教科書等を使ってみてはいかがでしょう?

 ……僕から言いたいことは以上。
 ほーら、“右”でしょ?

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