なか杉こうの日記
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2006年01月30日(月) 【詩】ファイル

ロッカーの扉をあけたら
古いファイルがかたり、と横になった
それはいつだったか
亡くなったひとの
葬儀のファイルで
たったひとつ。
かなり大きな葬儀だった、それは。
現職の幹部の人だったからね
かたり。
マジックで書いた背表紙
○○×氏の葬儀
かたり
それはさびしい
そうだまるで
その方の遺骨のようだ
かろく
かさかさ
風に散るごとく
わたしはあわてて
扉を閉めた
こころに風が吹く
あんなふうに
人は
小さなファイルになって
残る
いや、風よりも
軽いね
数十枚の紙
笑い声のみ聞こえる
すこし、話したからね


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