なか杉こうの日記
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ロッカーの扉をあけたら 古いファイルがかたり、と横になった それはいつだったか 亡くなったひとの 葬儀のファイルで たったひとつ。 かなり大きな葬儀だった、それは。 現職の幹部の人だったからね かたり。 マジックで書いた背表紙 ○○×氏の葬儀 かたり それはさびしい そうだまるで その方の遺骨のようだ かろく かさかさ 風に散るごとく わたしはあわてて 扉を閉めた こころに風が吹く あんなふうに 人は 小さなファイルになって 残る いや、風よりも 軽いね 数十枚の紙 笑い声のみ聞こえる すこし、話したからね
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