なか杉こうの日記
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闇が濃くなったころ 窓の外で ヒャッとか キィッとか言う声がして 非常に不快だ とくに今日は熱があるので まるで車のブレーキをずうっと聞かされているようだ それは人間の それは男子の声である 向かいの子供が大きくなったのか あるいはその姉目当てに どこかの男の子が 二、三人たむろしているのか ヒャアッと 普通の話をするにでも まるで チューインガムを引き伸ばしたように 神経をさかなでする 盛りのついた 鶏の声のようである しばらくして 声がしなくなった 学生服が たったと坂を下りて行ったのか 彼らのこの時期の声は まるで自分が 襲われるような気がして 理解不能で 恐くてしょうがない。
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