著者自らの取材旅行による紀行文と小説との二本立て。
四万十川流域で生きる人々の取材旅行は良かった。 夜這いの話・川舟・ツガニ・ウナギ・満蒙開拓団・キシツツジ・アカメ漁・落鮎再解禁漁などなど。
無名の新劇女優、千代岡華子は演出家・三井によって大役に抜擢された。公演終了後、三井は「君のために戯曲を書く」と約束する。若く才能豊かな演出家に惹かれた華子は、その言葉を信じて待ち続けたが、やがて哀しい真実を知る。そして傷つき帰った故郷には、華子を温かく見守り続ける男がいた…。四国・四万十川の豊かな自然を背景に、物語とノンフィクションを融合させた意欲作。
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