忘れ去られたかのような寂れた町の片隅に建つ低層の団地群引き返せない人生の踊り場で、出口をなくした、無数の思いその町に住む元同級生、その子供、リノベーションされた団地に越して来た新参者がそれぞれ主人公で心の闇に見入られた短編集。数学教師の中畑、文房具屋の水野、内装業の石崎中学2年の花乃、ウェブデザイナーの大室悲哀な人生と寂れた町が映し鏡のようどれも、ほんの少しホラーめいて こわいような哀れなような不穏が残る。