読書記録

2019年04月11日(木) 桃紅一〇五歳好きなものと生きる / 篠田 桃紅


 フォトエッセイ。


 紫檀の椅子、普段使いの器、手仕事の着物、拓本や絵、印など、どれも昔から使っている馴染んだ品々。


人は生きもので、死んだらそれまでです。

人そのものは、死んだらそれまでで何もない。いくらその人が立派な人であろうと、どれほど大きな国の王様であろうと。
生きているあいだ、というものだけが、生きものの場で、なくなればそれで終わりだと私は思っています。
ただ、使ったもの、文章に書かれていること、その人にゆかりのあった物質は残ります。命には限界がありますが、ものには限界がありません。保存さえよければ、何代も前からのものが残っています。
しかし、それはただ、ものにすぎない。その人が使ったというだけで、その人が出てくるわけでもなんでもありません。






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