2016年04月13日(水) |
十二の嘘と十二の真実 あさの あつこ |
本当は怖いグリム童話のような、どこかの国の后と侍女の話と日本のお婆さんの話とが交互に描かれる構成で、だんだんと読み進めるにつれて、どちらの話も歪んで不気味で薄気味悪く、どちらが嘘でどちらが真実というのではなくて、どちらもウソなんですよ、作り話ですよ〜って感じ。
どちらもツルという女が登場する。一方は殺人を犯したり、死後は他人にとり憑いて操り表向き良い老婆を装っていたが本性は恐ろしい。もう一方は侍女となり国の后をおだてるだけおだてて自分だけが信頼を得て周りを殺しつくし、最後は人を食ってしまう。 どちらも気味が悪くて恐ろしい…そして2つの話が終わった後に出てきたツル。 でも どう繋がっているのかは分からずじまい。
最後に『崖の下』 何故かニンゲンの子が狼に育てられて、いわゆるオオカミ少年なんだけれど、少年は自分が本当はニンゲンなのだということには気がついていない。
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