読書記録

2003年03月18日(火) ふたたびの雪        原口 真智子

 脳梗塞で寝たきりとなった妻を介護する中年男(北見輝夫)は、誰にも打ちあけられない罪を背負って生きてきた。昨日までは単なる隣人だった女(広野優理)が、心に重荷を背負ったとき、ふたりはお互いを、必要な存在として意識し始める。
 幸せをつかみとるために起こした行動が、自らを苦しめる。償いきれない罪の意識にさいなまれるふたりは、激しく惹かれあう。
「言えないこと」ひとつの言葉に共鳴し、心を揺さぶられる。プラトニックな純愛なのか、弱さをさらけ出すことのできる相手を必要としているだけなのか。


 < 過去  INDEX  未来 >


fuu [MAIL]