2006年04月17日(月) |
世の中はドンドン悪くなっている? |
世間で起きる事件、テレビなどのニュースから、世の中はドンドン悪くなっている。このままどうなってしまうのか?という言葉を耳にする事があるかと思います。子供を狙った事件や、凶悪犯罪の低年齢化。もっと身近なところで言えば、挨拶や礼儀作法と言った、基本的な事がすたれてしまっている、と感じている。 しかし全く同じような感覚を、紀元前のずっと昔から人々は感じているようで、当時を知る資料の中から「今の若いもんはダメだ・・・。世の中はドンドン悪くなっている」と書かれていた記録が残っているそうです。 そんな数千年も前から悪くなっている現在とは、いったいどのような状況なのでしょうか。 「悪くなっている」と感じる背景の一つに、人間は、悪い方にばかり目が向いてしまいがちである、という面がございます。逆に良い事は、すぐ当たり前になってしまう・・・。今の世の中、日本では沢山の人が飢える事も無く、以前に治療が不可能だった病気も、革新的な技術の進歩で多くの命が救われ、平均寿命も延びています。 私達に大きく関わりがある事と言えば、つい最近まではパソコンも多くは普及せず、皆様との広いご縁は、本当に考えられない状況がございました。携帯電話によって外出先でも連絡が取れるようになるなど、世の中が便利で暮らしやすくなっている事に目を向けると、とても素晴らしい面がございます。しかし、それを毎日「有り難い」と感謝を感じるよりも、「その事はもう当然」になってしまっている・・・。 そんな背景によって、悪い事にばかり目が行く。言うなれば、以前にあった悪い事や出来なかった事は改善されているのに、今までに無い新しい悪い事が出て来る為、それに反応して、「ドンドン悪くなっている」と感じてしまうのでは、と私は思います。 確かに、目を覆いたくなるような出来事が起こる状況もあります。そのような事が起こらない世の中が何よりではございますが、広い視野をもたれた際に見えてくる、人々の支え合いや繋がりのある世の中。 「有り難い(ありがたい)」という言葉の通り、今ココに有る事が難いという、「ありがとう」の感謝の気持ちと共に、日々の反省を忘れずに、是非、そんな素晴らしい部分にも目を向けて頂ければ嬉しく思います。
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