さかざきが綴る「アンティークな日々」
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2005年11月20日(日) 骨董祭終了

 広島での骨董祭を無事終え、今神戸のホテルでこの日記をしたためています。骨董祭終了後、搬出をして広島の会場をあとにしたのは午後6時過ぎ。そのまま名古屋へ突っ走れば、(途中で眠らなければ)午前2時前には自宅へ着くのでしょうが、夜間の600キロ走行は流石の私達も「ハード過ぎる!」と、広島の帰りは、必ずどこかへ一泊してから名古屋へ帰るようにしています。せっかくの神戸ですが、明日はゆっくり朝寝したあと、さっさと名古屋へ戻って、サロンでのフェアの準備に勤しむ予定です。

 さて、今日会場へお越しになった印象的なカップルは、耳の不自由なご夫婦です。あちらこちらの場所で、たびたび耳の不自由なお客様をお迎えしている私ですが、たった一言だけ知っている手話は「ありがとうございます。」だけ。毎度のことですが、一生懸命アンティークを見てくださるそうしたお客様に、口でそれぞれの品物についての説明をお伝えできないことが、とてももどかしく、また、何より大変申し訳ない気持ちでいっぱいになります。今日も、メモ帳とペンを駆使して、必死になって商品説明。「これは、イギリス1880年代のキルトトップで、こういう細かいプリントが当時の特徴です。」とか「裏にはまだ紙が入っているんですよ。」なんて、大急ぎでメモしていきます。そうすると彼女からもきれいな字で「色合わせが勉強になりました。」とお返事のメモが。メモ帳とペンがお客様と私の間で往復しました。

 そんな中、ご主人の方はアンティークに熱心な奥様に少々呆れ気味。奥様とご主人との間では表情豊かに盛んに手話で会話が飛び交います。その様子は、まるで大勢の人達の中、二人だけで内緒話をしているように見え、とても仲睦ましく見えました。その光景は、思わず私が奥様に向ってメモ帳に「ご主人?」「仲良いですね。」と書いてしまうほど。それを見たご両人が、二人揃って「そんなことないって!」と身振りで話されるのが、いっそう微笑ましく感じられました。

 最後に私が唯一出来る「ありがとうございます。」でお送りしたのですが、「手話が出来たらいいのにな。そうしたらもっとお話出来るのに。」と思わずにはいられませんでした。

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