さかざきが綴る「アンティークな日々」
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2005年07月08日(金) |
かたや日本は平和な日々 |
昨日のロンドンでのテロ事件、やはり沢山死者が出て被害が広がっているようですね。テレビで被害の模様を見ながら、今になっては仕方の無いことですが、「最初の地下鉄テロがあった時点で、どうしてすべての地下鉄の車両を止めなかったんだろう?」と思ってしまいます。 今日、この私自身も、「まさか今ロンドンに買付けじゃないでしょうね!?」という友達からの殺気だった電話がきましたし、同じ日本在住のアンティークデーラーの友達からは「ロンドンの友達に連絡がつかなくて...。」というメールもやって来ました。きっと世界中からロンドンへ安否の電話が殺到しているのでしょうね。
かたや日本は、なんて平和なんでしょう。今日は以前からお誘いいただいていたビスクドールの富野有紀子さんと今日は女二人、先日行った貞奴邸に引き続き、同じエリアにある旧春田邸へお食事に。大正14年のこの建物は、現在フレンチレストランとして使われているのです。お隣は旧豊田佐吉邸、名古屋でもお屋敷の並ぶエリアです。
古い民家をそのまま使ったこのレストランでは、玄関でスリッパに履き替え、今日は玄関脇の洋間に通されました。窓の外には庭の灯篭と緑の木々が見え、なかなか良い雰囲気。お互い仕事が忙しかったこともあって、彼女と外でお食事をするのも久しぶりです。フランスでは食べられないような繊細な味付けと盛り付けのフレンチをいただきながら、お互いの近況を報告しあいます。 ワインを片手にゆっくりお食事した後は、一緒に連れ立って、今度は美術館へ。買付け先のロンドンやパリでは、美術館に足を運ぶことも多いのですが、名古屋で美術館へ行くのは久しぶり。ちょうど見たいと思っていた「エルミタージュ美術館展」を見に行きました。
この「エルミタージュ美術館展」、「華やぐ女たち」というサブタイトルが付いているとおり、展示作品のほとんどが女性と子供の肖像画。1400年代から1900年代にわたるまでを時代ごと順を追って展示してあります。 その興味深いことといったら!1400年代から年代を追うに従って、1500年代に描かれた女性の衣装にはレースが飾られるようになり、首にはラフと呼ばれる大げさなレースのカラーが描かれるようになります。さらに、1700年代には当時の宮廷衣装だったたっぷりしたシルクのローブフランセーズ、大粒のパールを使ったジュエリーも充実してきます。そして1700年後期から1800年代の最初は、エンパイアスタイルと呼ばれるハイウエストのギリシャ風の衣装に、1800年代に入るとクリノリンで大きく膨らませたドレスが登場し、1900年代近くなるとバックスタイルにポイントを置いたバッスルスタイルへと。まるで、衣装の歴史を実地体験しているようで、とても楽しい展覧会でした。 また、私はレースの衣装を見ると「あ、これはヴェネチアンレースだわ。」とついついレースの種類をチェックするのが楽しいところ、その一方で富野さんは、「こんな衣装、お人形で作ったら可愛いよね!」とそれぞれの分野を重ね合わせつつ見終りました。
久しく名古屋でゆっくり過ごすことが無かったけれど、今日は、こうして名古屋で一緒に楽しく過ごさせてくださった富野さんに感謝!
もちろんその後はサロンへ戻り、来週の更新の為、またまたパソコンに向かいました。ちゃんと仕事もしております!
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