暗い教室。後ろの席で授業を受けている。ノートが終わってしまった。苛められっ子のNがルーズリーフを数枚分けてくれる。とても偉そうな顔をしている。気に食わない。授業が終わる。ホームルーム。担任が、登校拒否中の女の子の家まで皆で励ましに行こうと提案する。私は内心(お節介なことだ)と思ったが、多数決で行くことになる。女の子の家は山の中腹にある。要塞のような屋敷だ。内装はゴシック調。召し使いが何人もいる。女の子は生まれつきの盲聾だった。父親の話によると、母親が妊娠中に悪意を持った看護師によって毒薬を注射されたのだそう。生徒は一人づつ励ましの作文を読み上げる。父親はそれを指文字で女の子に伝える。私は(女の子は可哀想だが、自分には関わりのないことだ)と冷め切った目で眺めている。
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