夕暮れの街中、私は子供用の足こぎ自動車に乗って川向こうの交番を目指していた。交番には昼前スピード違反で取り上げられた免許証が保管されているはずだ。暗転知人二人と一緒にZARDのライブに来た。観客達は皆、嗚咽を漏らしている。公にはされていないが、彼女の余命が僅かなことはファンの間では公然の秘密だった。暗転床屋のおばさんに襟足を鋭い日本刀で剃り上げられた。死ぬほど怖い。