夢を 見た。
あの日を思い出すような夢。
亡くす夢。
突きつけられる 寂寥感と 喪失感と に
わたしは・・・・・。
その人が この世界に 存在しなくなるという 重い 重い 事実は
たぶん 現実にそうなって初めて 真実(ほんとう)に理解できるものなのだと思う。
どんなものであっても それは たったひとつだけで
どれだけ似たものでも その心の欠けた部分は填まらない。
新しく心の一部となっていくとしても それは別の大切なもので それもまた たったひとつだけ。
目が覚めて
降り続いている雨の音を聴きながら
ああ そういえば 明日はあのひとの命日だった と
だから思い出して欲しくて 寂しがって あんな夢をみせたのかしらん と
仏壇の前に座って 線香をたて 手を合わせて そっと目を閉じた。
雨はまだ 止みそうにない。
ゆうなぎ
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