ラヴ*パスポート



葉月アキラ、自由に生きてきた。色んな恋を、した。
やっと腹を括ったその先は、長男の、嫁。
騙したり騙されたりの日々から抜け出したワタシだけれど、果たして頑張れるのか?

結婚5年目に入った2013年12月、不妊治療の末、娘を授かりました。

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2007年12月25日(火)  ©  乙女、やな。


珍しくワタシ発信で電話を掛けてみた。
”必要以上に自分からコンタクトを取らない。”
此れは、子供も居て
尚且つ、ワタシが連絡を取る事が出来る時間帯、彼は仕事中だから
なるべく負担を掛けたくない、と言う口実で
本当の処は、ウザイ女で在りたくない、重荷になりたくない、と
頑なに自分に誓うワタシの心情の表れ、でもあったり、する。

だからワタシ発信の本日の連絡、此れは本当に珍しい事。

2、5日程放置されて居て、しかも其の内の1日はクリスマスイヴだったりして
何だか泣き出したい程、やさぐれていたワタシ。
えぇえぇ、小さい女ですよ。
イヴとか何とか、きっといつものワタシなら気にしない、気にならないタイプ。
でもね、あの人とでは違うんだ
あの人と向き合うワタシはいつだって珍しく女子、なのだ。
其れは、自分でも痛い程。

電話に出た彼に『今、時間大丈夫?』と聞くと、きっとトンネル付近を走行中だったのだろう。
『大丈夫だけど、ちょっと切れるかも。』と言われ『じゃぁ、いい。』と
電話を切ったワタシ。

たった其れだけの事で泣きたくなる。

折り返し掛かって来た電話で
『ワタシ何だか凄く放置されてる気がするのですが何故でしょう?』と
ウザい事を聞いてみると彼は、あはっと笑って
『放置して無いよ、お前23日と24日は友達と出掛けるって言ってたから電話しなかっただけで
 24日は、子供達のプレゼントの支度とかあるから、夜出掛けるなって言われたから
 夕方仕事終わってから、ずっとジャージで過ごしてましたよ。』

『ワタシ、23日も24日も体調不良で出掛けるの中止にしたの。』
『お前ね、其れならメールとかしてくれば?』
『貴方仕事中だから、しなかったの。ワタシ此れでも気を使って過ごしてるの。』
『俺もお前が友達と出てる時は、電話とかしないように気を使ってるんですけれど。』
『そっか・・・。』
『だから、放置なんてしてないよ。』
『だったらいいです。』

何を着て過ごして居たかなんて聞いて居ないのだけれど
ジャージで過ごす=外には出ていない、と言う事を言いたいのだろう。



結局、大きな胸の痞えは取れたけれど、安堵するまではいかない状態で
其の電話は、彼の仕事の都合で途切れた。

何だか、彼の声を久し振りに聞いた気がして
安堵なのか、苦しいのか、何なのか解らないけれど涙が出た。
彼に解らない様に、ワタシは電話口で静かに泣いて、居た。

『お前、乙女やな。』

ワタシが第三者なら、そう呟くわ。



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