ラヴ*パスポート



葉月アキラ、自由に生きてきた。色んな恋を、した。
やっと腹を括ったその先は、長男の、嫁。
騙したり騙されたりの日々から抜け出したワタシだけれど、果たして頑張れるのか?

結婚5年目に入った2013年12月、不妊治療の末、娘を授かりました。

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2007年10月15日(月)  ©  彼の、お気に入りの、お人形。


『お前、何してん?』
昨夜の午後11時過ぎの着信で泰ちゃんは言った。
『DVD見てますけど?』
『誰と?』
『いや、1人、ですが?』
『男と観てんだろ、悪かったな、邪魔して。』
『1人だって言ってるやないの。』
『俺、今外に居るんだよね。』
『あーそうなんだ、明日も早いんでしょ。気を付けて帰りなね。』
『おぅ、じゃぁな。』

いいのだ、と、思った。此れでいいのだ、と。
暫くして、玄関からガチャガチャと言う音がして、ピンポーンとインターフォンが鳴った。
外・・・って、家に向かってたのですか?汗。

最近は1日に数回、着信を、くれる。
先週は、珍しく3日も晃邸に、居た。

此の人は、ほんの少しのワタシに気持ちがあるだけで
其れは愛情とかには、程遠い感情、だけれども
他人には渡したくない、自分の手元に置いておきたいの、だろう。

其れなりの容姿で、其れなりにモテて、自分に好意を持つ、面倒臭く無い女。
其れがきっと、彼の認識する、ワタシ、だ。


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少し、リアルに色んな事を考えたんだろうな。
解ってる、好きだけじゃダメな事も、如何しようも無い事が在る事も。

相も変わらず、彼の事が好き、だ。とても。
彼を想う気持ちは、変わら、ない。
彼が、ワタシだけを見て愛してくれたら、どんなに幸せだろう。

でも、子供の居ない人を好きになれたら、もっともっと幸せ、だろう。
ワタシの望む平凡な幸せは、そう言うモノ、だから。
ワタシと、相手とでゼロから作り上げて行く幸せが、欲しい。

逢う度、ワタシに刻まれる彼の痕跡は、翌日になっても消えない、彼の足跡。

会えるのは、嬉しい。
きっと、今のワタシは、彼お気に入りのお人形。
でも、新しいお人形を見つけるまでの期間限定、の、お気に入り。

ワタシは、お人形、なのだ。
でも、心と身体が、やっぱり、痛い。



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