好きだと言われる、だけど１度も好きだと言った事は、無い。
彼は其れに対し、何も言わない。

付き合って欲しいと改めて言われたあの日
ワタシは彼に言った。

『色んな意味で頑張って。』

高飛車な其の言葉には、暗に
”ワタシが貴方をちゃんと好きになれる様に貴方も努力して”
と、言う含みがあった事を、彼が理解しているのかどうかは判らないけれど・・・。

彼は、『はい、頑張ります。』と言った。

其の言葉通り、彼は頑張ってくれている
色んな努力、我慢をしてくれていると思う。
文句のつけ様が無い程、大切にしてくれている。

そして、ワタシは其れなりに彼を大切思っている
人として好きで、人として本当に素敵な人だと思う。

もう少し時間が欲しいと、そう思う
男の人として、彼氏として好きだと思える様になるまで。

別に珍しい事じゃない
ワタシは自分から人を好きになる事は無いのだから
”何か”を感じる人と付き合い、其れなりの恋になる。

そう、今までだってそうだった。

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そう言い聞かせても、何処かで感じるジレンマ。

こんな事を感じるのは月一の悪夢の所為だ！

そう言い聞かせる。
きっとそう、きっとそう。

大との付き合いは、大切にして行きたい、穏やかな生活
でも、髪を振り乱してまで守りたいものでは、無い。

・・・・・はて、待てよ。

今まで髪を振り乱してまで守りたいと思った恋愛があっただろうか？
・・・・・・１度だけ。
うん、１度だけあった。１０年以上昔の話。

其れを失ってからワタシは自分から人を好きになっていない。
そして、其の日からワタシは自分の感情を極力、表に出さなくなった。






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