コミュニケーション。
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いつも私から。 そうだね、そう言われれば。 そうじゃない?わかんない。 楽しみにしてた久しぶりのデート、あっさり終わったから、 軽くひねくれてみた。 煙草も吸ったし、ほっといてとまで言った。 あなたは駅に着くまで、 無事に手に入れた新刊でも読んでればいいじゃないの。 携帯ゲームにも飽きて眠ろうとしたとき、 寝るの?じゃぁかまっちゃる。 わけわからん。
まぁそもそも、 寺島が風邪っぽいから、用事も終わったし帰ろうって話なんに。 いつから私、こんなにわがままになったんだろ。 寺島が具合悪いのを隠しているのも、多分当たっている。
欲しいものなんて特になかった。 見たい店もなかった。 一緒にいて楽しかった。 悲しいこともなかった。 なのに、どうして。 あぁどうして、こんなに胸が痛いんだろ。
いつも私からあなたに指を伸ばしていない? ねぇ、少しの距離なのに。 私からばかりなのが、怖い。 怖い。けれど。 たまらなく触れたかった。 本当にわずかに寺島の方に動かした指先を、寺島がきゅっとつかんだ。 そのままつないだ手は、駅まで離されなかった。
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