綿霧岩
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寺田みさこ振付作品「アリア」を観ました。 す ご く 面白かったです。 面白いダンスってこういうのを言うんだと思いました。 面白いものを観てしまうと、もう金輪際面白いものしか観たくないわ!てなりますね。
観終わったあとは後頭部がじんじんぎゅんぎゅんと畝り唸っていました。 普段使っていないのでしょう。 ああ観るというのは後頭部でするものなのかしら。 そこにある何をも言語に変換せずに(意味を考えずに)ただ観ているうちに、それそのものが非言語的な言葉になっているのでした。 例えばずっと五人の人が一人一部屋の空間内にいたのに、一人の人が部屋の境界を乗り越えて違う人の空間に入る、とか、最後の方で一人だけ突然いなくなる、とか、単なる事実にいちいちどきんと衝撃を受けるのでした。 言わずもがなですが、こんな風に書かれた言葉を追って想像するよりも観た方が数百万倍良いです。
余談ですが、観終わって二時間くらい後に読みかけの小説を読んだら、いつもよりも鮮明に言葉が頭に入ってきて、後頭部の熱がスーッと気持ちよく引いていくのと同時に頭の中央から前の方が動く感じがしました。 ダンスとは逆に、文字しかない小説の世界が、全てを鋭く指し示す言語の世界が、今まで感じたことのなかった次元でとても心地良く感じたのでした。
非言語の言葉を発見していけるダンスも、文字言語で組み立てられた世界を享受する読書も、どっちも楽しい!と思ったのでした。
こんなふうな体験ははじめてでした。 なんだかよくわかりませんがすごくないですか? すごいダンスってすごいわ!
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