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2004年02月16日(月):読書日記【嗤う伊右衛門】by京極夏彦
映画がクソつまんなかった(失礼)ので、本を買ってみました。
えーと。
今更ですが、このお話は「ミステリ」なんですね。
お岩さんを題材にした「犯人探し」系の小説。
映画が意味不明だったので、ちゃんと意識してなかったんですよ。。
結論からいきますが、面白かったです。
これ、すごい切ないオハナシですよね。
お互いに想い合っているのに通じない。
主人公の二人だけじゃなくて、みーんなそうだった。
特に岩の父の又左右衛門。
本当は侍の誇りなんか毛程にももってなくて、さっさと同心株なんて売って楽になりたかった人。
娘に軽蔑されるのが怖くて、ひたすら誇り高く自分を見せていただけだったという。
だから岩に同心株なんぞ売ってしまえ、と言われて衝撃を受けてしまう。
映画でも出てきた台詞だと思うんですが「想いはそのまま伝わらない」って重いコトバでした。
このほかに、気に入ったというか印象に残った台詞は二つあります。
全部又一の台詞なんですが。
「情けにしても怨みにしても、受ける方にその気がなきゃア成り立たねエ」
「間違っちゃいねえ。間違っちゃいねえが、正しくもねぇ」
両方とも、心にズシンと来る深いコトバでした。
ラストでは泣きました。
実は映画とラストは違ったりするんだろうか?と、すぐに最後は読んでしまってたんです。
そのときは「あ、一緒だね」って思っただけだったのに。
自分でもびっくりですが、ラスト1行で涙がボロってあふれてしまったんです。
話の筋書きは伏線ありまくりで、オチ知らなかったらめっちゃ楽しめたと思いました。
それだけがざんねーん。。
原作を読んだ今、なんだって映画があんなんになっちゃったのか…。
せめて、岩と伊右衛門の心情くらいもうちょっとしっかりと描いてもらいたかったわ。
映画ではお互いを想い合いながらもすれ違ってしまうお岩と伊右衛門の切ない心情がゼンッゼン描き切れてなくて「おいおい、ナニこの展開?っつーかそんなに好きだったの?はぁ?」って置いてけぼり食らいましたから。
や、もういいや。映画のことは語らないでおきましょう。
原作はよかった。
それでいいじゃないですか。
あ、でも映画も原作も両方ともに疑問をもったこと。
あれほど賢明な岩が喜兵衛の嘘にたやすく引っかかったことが納得いかない。。。
や、引っかからないとそもそもの話が進まないわけだけど。
それにしてもあんなちんけな嘘に引っかかるにはちょっと賢すぎるような気がしました。
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