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2003年03月13日(木):読書日記【三国志】by北方謙三 その7

蜀に降伏していた老将が帰ってきました。
降伏したと言う理由では、将軍を罰することはできません。
しかし、ヤツをこのままにしておくわけにはいかないでしょう。
そうですよね、曹丕さま?

っちゅーわけでようやく魏に帰還した于禁を待っていたのは。
亡き曹操の墓前に描かれた自分が関羽に降伏しひれ伏した姿と、副将のホウ徳が討ち死にした姿でした。
于禁はその場で倒れ、死んでしまいましたとさ。

曹丕さま、マーベラス。

有能な曹丕さまはご自分の地位を脅かすかもしれない老臣達の力を削いでいく事も忘れません。
形ばかり臣下の礼を取った孫権が人質を出さないというアホみたいな理由で呉への出兵を決定。
総大将は曹仁。赤壁の戦い以降樊城を守り通した猛将です。
曹丕さま自らも出陣し、親征と言う形にさせて準備は万全。
勝てばそれでよし。負ければ曹仁はご親征を失敗させた責任を問われることになります。
実に緻密で狡猾なやりかたといえましょう。
曹仁はどうしても負けることができません。
結論から言うと、もちろん負けました。
曹仁、無念の憤死。

ところで弟君の曹植の件は、ご親征中の留守居役仲達が活躍しました。
曹植は何度かの国替えですっかり扶持を減らされて放って置いても何の力もない状態ですが、曹丕さまの性格はそれを許さないようです。
惨めな方へ惨めな方へ追いこもうとなさっています。
そんな曹丕さまの希望に応えるべく仲達が思いついたのは格と名目上の食邑(扶持)はいまよりずっと上だが、耕地が荒れ果てていて、いまの封土の半分の収穫も見込めない土地への国替え。
この処置には曹丕さまもいくらか喜ばれました。
いくらか。
格上げしながら、扶持は半分以下に減らす、っちゅー処置自体はいかにも曹丕さま好みの苛め方で、かなりイイ線いっていたようですが。
仲達どの、ちょっと生ぬるかったみたいですよ?
陛下はちょっとしか喜ばれていらっしゃいません!!
もう少しがんばりましょう。ってところですかね?

そして錦馬超。
死以外で泣いたのは赤兎を除けば彼一人です。
そういえば、赤兎も関羽が死ぬちょっと前に死んでしまいました。
彼は最期まで呂布ただ一人を思って死んでいきました。はっきし言って、北方三国志の主人公は呂布と赤兎です。
現在12巻半ばまで読んでいますが、この二人が語られなかった巻ってないんですもの。

戦で死にきれなかった呂布。それが今の馬超です。
砂漠にひとりでいるのが、馬超は好きだった。いまは、山の中が好きになった。もともと、そうやってひっそりと生きる方が合っている。曹操や劉備や孫権とは、人間としてのありようが違うのだ。
ココ、馬超の全てを語った一コマって感じです。
どうやら馬超はこのまま山奥で隠遁生活を送るようです。
それもまた一つの生き方なのでしょう。
私の馬超像が大きく変わった、そんな北方三国志でアリマス。

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