どうやら、仲直りしたみたい。 いつもどおりの二人に戻った。 前より仲良くなったかも。 *** 「この部屋なんかくさい」って にゃんこが言ってて ニオイの原因を探してたら、枕だった。 なんだか猫みたいなニオイがする。 正直に書いてしまえば 猫のおしっこみたいなニオイ。 にゃんこが 「おまえの頭がくさい」って言うので 「にゃんこの頭がくさいに決まってる」って言い返した。 「にゃんこ、あれよ。 髪の毛が短い人って、くさいらしいよ。 頭皮のニオイがするらしい。 犬でも、短毛のほうがくさいって。 ほら、シャンプーのニオイって髪の毛につくやん? にゃんこの髪、5cmくらいしかないけど 私の髪、長いよ。 しかも、私の髪の毛、たっぷりあるよ。 そこにシャンプーの香りがたっぷりついとうとよ。 にゃんこはちょこっと。 だけん、にゃんこがくさい」 って私が言うと、にゃんこは納得してた。 っていうかね、私、にゃんこんちの枕 使わないもん。 いつもにゃんこが一人で枕を占領してて 私はにゃんこの腕枕か、枕なしで寝てるし。 にゃんこは「頭がくさい」って言われて 微妙に切ないような照れくさいような くやしいような感じだったらしく 「おまえの足がくさい」と言い出した。 で、しまいには私の足の裏をチェックしだした。 ちょこっと皮がむけてたのをするどく見つけて 「水虫やん。女の子なのに!」って言い出した。 やべえ。 ばれたじゃねえか。 いつだったか忘れたけど 水虫になったんですよ。 冬はきれいな足だったのに 最近、ムレるのか、ちょっとアヤシイんですよ。 「水虫やないよ。皮がむけよると」って言ってみた。 「いいや、これは水虫」ってにゃんこが言うので 「にゃんこは頭が水虫」って言い返した。 頭が水虫? そんなやつおらんやろー。 二人でゲラゲラ笑った。 にゃんこは私に対抗して 「おまえは歯が水虫」とか言い出した。 私の前歯、小さい頃に虫歯になって神経とりそこなってて 黒く変色してるんです。 痛いとこつくじゃねえか。 「あー。わかった。にゃんこ、知らんのやね。 私が教えとってやるよ。 あのね、これはね、『虫歯』って言うんよ。 にゃんこの国では虫歯のことを水虫って言うのかもしれんけど 福岡ではね、これは虫歯って言うと」 にゃんこは頭がくさいのを気にしてるのか お風呂あがったばっかりなのに 「頭くさい?」って何回も私に嗅がせた。 「くさい」って言ってやった。 本当は臭くないけど。 「おやじみたいなニオイがする?」って聞くから 「ぬれた猫みたいなにおいがする」って言ってやった。 お風呂上がったばっかりなのに くさいわけないやんか。 でも、にゃんこは自分の頭のニオイは嗅げないので 私の言葉を半信半疑に聞いてた。 あんまり気にしすぎてかわいそうかなと思ったから 「明日、シーブリーズで頭皮をふいてあげるね」 って言ったら 「シーブリーズでふいたらくさくなくなる?」 って聞いてきた。 私が笑いながら「さあ?それはどうかな」って言ったら 「さあ、とか言うな」って笑ってた。 くだらんことばっかり言って ニオイをクンクン嗅ぎまくって 二人で大笑いした。
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