年代別で傷ついた私は、それでも掲示板での言葉のやりとりから抜け出せず、とうとう地域別に足を踏み入れてしまった。
それでも自分の住んでいる地域はさすがに怖いような気がして、自分の出身県のドアを叩いたのだ。
「○○県が恋しい」
そんなタイトルの、現在は嫁いだり、仕事の都合で他県に住んでいる人が集うトピックスだった。
そこに半月はいただろうか。
楽しかったが、私は物足りなかった。
故郷を思う仲間という連帯感はあったが、そこでは私の心の隙間を埋めてくれるような、日常のささいな会話ができなかったのだ。
ひたすら故郷を懐かしむ会話。
昔話。
集まる人の年齢がまちまちだったせいもあっただろう。
飛び出してきた“年代別”で交わした
「元気?」「いいお天気だね。」「悲しいよ。」「どうしたの?」
そんな何気ない会話がなかったのだ。
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