６年前　私が３８歳だった時　好きだった貴に会った

とある会合でたまたま一緒になっただけの事なんだが

あれ？と思いよく見ると貴がそこにいた


６年前　たった３ヶ月間付き合った１３歳年下の貴

左手の薬指に結婚指輪が光ってた

（結婚したんだ・・・）

ぼんやり指輪を見てたら貴が声をかけてきた

「のんちゃん！」

『ひさしぶり』

「元気だった？」

『うん　結婚したんだね』

「うん　もう３年になるかな」

『子供さんは？』

「娘が１歳になったよ」

『あれから・・・６年？』

「もうそんなになる？」

『私４４歳だよ』

「変わらないね　あの頃と全然」

『貴は少し太った？』

「もうおじさんだから」

『おじさんってまだ３１歳じゃん』




積もる話もあるからって喫茶店へ移動

「今の歳に出会いたかったよ」

そう言われてまた胸がキュンってなった

結婚して子供が出来て　妻とは家族になってやっとあの頃の私の気持ちがわかったよって言ってた




もう貴とは思い出話しか出来ない

本当に本当に貴のことが大好きだったから

会ったらまた泣いちゃうんじゃないかって思ってた

今日も指輪見た時ちょっとうるってなったけどあの頃みたいに涙は出なかった




貴を家まで送って握手して別れた

「じゃあまたね」って貴が言った

夏の会合でまた会えるかな　



でも不思議と気分はよかった

元彼に会っても大島の事は変わらず好きな自分がいる




今日の大島はとある机をせっせと片付けていた

書類を整理し雑巾できれいにふきあげた

電話にはお手製のメモを作ってぶら下げた

『のんさん専用メモ帳』と書いてあった



月曜日から私と大島が共同で使う机なのだ

なぜ共同で使うのかはわからない

もう１個机は空いているのだが大島が一緒に使おうって提案したのだ



何だか最近大島が身内のような気がしてならない（＾＾；

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