うららか雑記帳
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| 2007年06月22日(金) |
【世界観構築における100の質問】前半 |
相沢秋乃様が作成された質問を拝借して、長編小説『WILL』の世界について答えたいと思います。 相沢様のサイトはこちら。
創作小説に興味のない方はごめんなさいです。 長文ですので眼精疲労にご注意ください。 では、もっちりと行きますよー。
1 ハンドルネーム・ペンネームをどうぞ。 浜月まお。お気軽に名前で呼んでいただけると嬉しいです。
2 世界観構築にあたり、一番最初に決めたところは? ・人間 ・特殊な力を備えた人間(異能者) ・人類の派生種(長生種/俗称はエルフ) この三種類が、およそ8対1対1の割合で共存している島国……という舞台設定。
3 世界観構築にあたり、こだわりを入れたところは? 人類(異能者含む)と長生種との関係は、共生ではなく単なる共存であり、基本的にはっきりと棲み分けがなされている、とか。
4 その世界に「神」はいますか? 人々の信仰の対象としての神様なら、たくさんいます。
5 いる場合、一神教ですか、多神教ですか? 森と湖の国プレアデス大公国では、主だった宗教はほとんどが多神教。ちなみに他国では一神教が国教になっているところもあります。
6 一神教の場合、天使、悪魔はいますか。 それに類する存在ならば、いる宗教もあります。神の先触れ、御使い、預言者とかの類。人型だったり動物だったり。
7 多神教の場合、天使、悪魔に相当する神はいますか。 上に同じ。
8 異教・邪教はありますか。 『ある特定の宗教を奉ずる者の立場からみた他の宗教』という意味でなら、異教はいくつもあるでしょう。邪教も同じく。どこに立地点を置くかによって違いますね。
9 異次元はありますか。 一般的には認識されていませんが、厳密にはあります。 アリアが夢を媒介に垣間見る『未来の世界』とか。
10 その世界、地球上ですか。それとも、別の惑星ですか。 空気があって海と陸地があって、多種多様な生命が繁栄していて、太陽が東から昇って西に沈むので、パラレル的な地球だと思われます。
11 別の惑星の場合、衛星がいくつありますか。 −
12 別の惑星の場合、一年は何日ですか。 −
13 別の惑星の場合、一日の時間の数え方は決めていますか。 −
14 時計はありますか。 あります。
15 ある場合、その時計は一般人にも容易に手に入りますか。 置時計や壁時計なら、標準的な家庭に必ず一つくらいはあります。 ただしプレアデス大公国の場合、公式な場では家紋の入ったブレスレットを両腕に着用するのが礼儀なので、腕時計をする人は滅多にいません。市場にもあまり出回っていません。
16 住んでいる人々は、そこが惑星であるということを知っていますか。 ここまで設定していません。でも、トップレベルの研究者なら、どうやらそうであるらしい、程度には把握しているのかも。
17 魔法は存在していますか。 神話レベルでなら存在します。無から有を生み出し、世界の在りようそのものに干渉して情報を書き換えるという能力(あるいは技術)です。 傷を癒し、風や水を操り、生命を育むのが“霊術”。人類の派生種である長生種が先天的に備えている力。 引き起こされる現象等が上記よりもっとずっと限定されているのが“異能力”。ごく一部の人間が備え持って生まれてきますが、能力の顕現は遺伝に関わりがなく、また、一人の人間が複数種類の能力を扱えることはまずありません。力の強弱の個人差が大きいです。
18 存在している場合、どのような属性がありますか。 −
19 存在している場合、誰でも使えるものですか。 −
20 存在している場合、どうやって発動させるものですか。 −
21 魔物はいますか。 野生動物を物凄く強大かつ凶暴にしたような生き物なら、います。 三日月型をしているプレアデス大公国の、北端と南端は長生種の領域。そういった、苛烈な自然環境のせいで普通の人間が定住しづらい地域には、魔物と呼んでも差し支えないようなやつが生息しているのです。
22 いる場合、魔物と人との関係はどのようなものですか。 人間と遭遇することは滅多にないでしょうが、人間も食糧の一種類と見なされるようです。
23 いる場合、魔物の階級はありますか。 人類未踏の奥地に生息しているので詳しいことは分かっていませんが、弱肉強食ということで、身体能力が高くて強いやつほど上に君臨できるのでしょう。
24 あるなら誰にどのようにつけられますか。 −
25 世界制服をもくろむような、強大な魔王はいますか。 いません。野望を抱く人間ならいますけれども。
26 生まれ変わりはありますか。 ありません。
27 ない場合、人は死んだらどうなりますか。 大地に、海に、風に、万物に還り、生きとし生ける全てのものの傍らに在り、世界中を巡る──とされています。 土葬された人は大地に還り、水葬の人は海に、風葬の場合は風になる。一般的にはそう信じられています。埋葬方法は故人や遺族の意向によって選択可能。ただし、いずれにしてもまず荼毘に付してから。
28 霊的なものは存在していますか(魂とか)。 いません。
29 ここからの質問は、世界ではなく舞台となる国についてになります。どの国について答えますか? 主人公アリアの生まれ育った国、プレアデス大公国。
30 主に舞台となる国の、気候はどうですか。 北方に位置していて、四季の移ろいは鮮やかです。 夏はやや短めで乾燥していて過ごしやすく、霧月(10月)くらいから寒くなり始めて、真冬には深々と雪が降りこめる。最北端にあるキーツ山脈は万年雪に閉ざされています。
31 天気予報はどのようになされていますか。 一般市民に予報が知らされるのは、国や地域を挙げての催事があるときだけです。 膨大な過去のデータを紐解いて現状と照らし合わせ、専門の研究者グループが審議を重ねた末に「建国記念日は晴れるでしょう」などと発表します。 予報が外れることも少なくはないので、急に雨が降ってきても町の人々は気さくに軒下を貸してくれたりします。お互い様精神ですね。
32 主に使用されている暦はどう言ったものですか。 太陽暦。年度替わりは1月。 1月=雨月 2月=風月 3月=芽月 4月=花月 5月=風月 6月=収穫月 7月=熱月 8月=実月 9月=葡萄月 10月=霧月 11月=霜月 12月=雪月
33 その国の衛生状態はどうですか?(上下水道など) よっぽどの辺境と長生種の領域を除けば、概ね整備・管理されています。 島国なので外国人の出入りもさほど頻繁ではなく、『汚して困るのは自分達』の精神が発達しており、道端の掃除も進んでやります。
34 主に使用されている言語は何ですか。 プレアデス・アトラス語。北方の国々のほぼ全域で公用語になっています。
35 文化程度はどれくらいですか。 絵画や演劇、文学を尊ぶ程度には高いです。
36 文字はありますか。 あります。おそらく象形文字の一種。
37 ある場合、主に使用されている記録媒体は何ですか。 紙。製紙職人さんがせっせと作ります。
38 ある場合、識字率はどれくらいですか。 約97%。義務教育制度があるので。
39 通信手段としては、どのようなものがありますか。 普通郵便、飛脚が一般的。貴族階級や組織・団体などは、乗馬術に長けたお抱え飛脚を必ず雇っています。
40 移動手段としては、どのようなものがありますか。 国内の移動は、料金の低い公共の乗合馬車が主。ほぼ国中に街道が敷かれています。渡河用の船もありますが、外国を行き来する通商用の貨物船のほうが数は多いです。
41 人口密度はどれくらいですか。 人口は500万人くらい(長生種は含まない)。平均したら、密度はそう高くないかも。
42 政治の形態は? 君主制? 共和制? 大公を国家元首とする立憲君主制。
43 一番権力を持っている人は誰ですか。 大公です。君主であり、政府の実質的な長である宰相を任命する、国事決定権を持った最高執行権限の象徴。 また、プレアデス大公国は何代か前まで専制君主制だったこともあり、大公をはじめとしたその血族は重要視されます。
44 その人は、どのようにしてその地位につきますか。 世襲。性別問わず、先代大公の第一子が世継ぎ。 ちなみに大公家以外は末子相続が一般的です。
45 最下層の人々はなんと呼ばれていますか。 一般人にはない能力を持った異能者たちも差別を受けていますが、それ以上に過酷な状況にあるのが、人間と長生種との間に生まれた混血者。鬼子、忌み子、半々と指さされて、忌避され、そして畏怖されています。
46 最下層の人々の、生活レベルはどれくらいですか。 普通に定住して、真面目に働いてさえいれば、食べるのに事欠くようなことはありません。
47 普通の人々の、生活レベルはどれくらいですか。 庶民、裕福な一般庶民、小貴族、中貴族、大貴族といった具合に各層に分かれてはいますが、国際比較すれば裕福です。集落を作って慎ましく暮らしている長生種は別として。
48 その国では、どんな産業が発展していますか。 森林・鉄鉱石・水力資源などが豊富なため、それらを利用・加工する産業が栄えています。島国なので海洋漁業もそれなりに。
49 その国での名産はなんですか。 高品質の上級紙、樹医など。
50 その国は、自給自足で国力を維持していけますか。 基盤産業が盤石なので、贅沢品以外は概ね自給自足できています。
ここでちょうど半分。 続きは明日書きます。
長編小説『WILL』
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