うららか雑記帳
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「浜月さん、ちょっと聞いてくれる?」
と言って私の席にやって来たのは、違う部署に所属する某女性。 定年にはまだあと数年あるけど、今月でご勇退することになっている人です。 仕事上ちょこっと接点が多くて、一緒に湯飲みを洗ったりしながら他愛ない雑談をしたり、真面目なお話をしてくれたり、色々と可愛がってもらっている先輩。 私みたいな下っ端にも対等の目線で接してくれるので、ついつい話が弾んで長話してしまうことも……。 なんでも、みんなの前で退職の挨拶をするときに、スピーチ代わりに自作の短歌を披露することにしたのだとか。 長々と演説されるより、きゅっと引き締まった短い挨拶のほうが印象が強いですものね。名案です。 短歌サークルに入っている方だから、特技を披露できて一石二鳥だし。 で、一句ひねってきたからちょっと感想を聞かせてほしいと言うのです。 それではと拝聴したら、コレがまた良い短歌で! 5・7・5・7・7で作られているってことくらいしか短歌の知識がない私ですら、思わず胸にこみ上げてくるものがありました。
──空と大地、そして家族や友人同僚、周囲の人たちに恵まれて、ここまで歩いてくることができました。 辿ってきた道と『今』を大切にして、これからも生きていきます──…
という内容の句です。 私、絶賛しちゃいました。 直球で胸に響くよー。この方の人間性がにじみ出ているような句なんです。 それに、こんなに濃くて重い、あったかい内容を、わずか31文字で表現できるなんて衝撃ですよね! 短歌ってすごい!! でも、もうすぐこの方と会えなくなるのかと思うと、多少しゅんとしちゃいます。
そういえば、某支局の課長補佐さんも異動だとか。 国家公務員は全国各地を1年2年で転々としなければならないから物凄く大変ですよね。 この補佐さんは森本レオみたいな温和な雰囲気で、目尻がちょっと下がり気味。口調もとっても優しくて。 この1年間でずいぶん御世話になりました。 他県の支局で課長に昇進されるそうです。 今日の出張はこの補佐さんの所属する支局が会場だったんだけど、異動先の支局に引継ぎをしに行っていて、お会いできませんでした。 となると、もう二度と会えないのかぁ。 仕事上の付き合いしかない相手でも、やっぱり寂しいものですね……。 いや、仕事上の付き合いだけだからこそ、かな。 プライベートで交流があれば、どこに引越そうがそれなりに連絡できるからね。
んー。 春が来るなぁ……。
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